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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

3000万円は安いか高いか

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 SAPのERPといえば、億の単位のコストがかかるというのが、まあごく当たり前の世界だった。ところが、高嶺の花のSAPが3000万円から、さらにこれにはハードから基本的な導入のコンサルティングサービスも含めての値段だという。

 この仕組み、とくに中堅用に新たな製品が出てきたわけではない。ものはSAP ERPそのものだ。ネット上であらかじめ目的や利用状況を入力することで、事前に設定した状態のSAPのERPをDBやOSとともにハードにインストールして提供されるという。ものはエンタープアイズ向けのSAP ERP同じということで、今回とくに中堅向けに機能を削り値下げしたというわけではない。コストが下がっているのは、SAPのライセンス部分ではなく、むしろ導入に関わるさまざまな費用の部分だ。

 逆に考えると、自分でなんでもできるというならば、必要となるSAP ERPのライセンス費用だけみればそれほど高額ではないということか。これまでは、いかに導入にお金がかかっていたのかということになる。コストを上げる要因はもちろんカスタマイズの部分。ここをいかにして減らせるかで全体のコストは大きく上下する。

 もっともカスタマイズ少なくSAPを導入するのが、いわゆるSaaS型のサービスSAP Business ByDesignということになる。なるべくカスタマイズしないで安く仕上げましょうというのがSAP Business All-in-Oneで1億円くらいから。今回のSAP Business All-in-One FAST-START PROGRAMは、その中間ぐらいに位置する(さらに小規模向けのBusiness Oneというのもあるがここでは割愛)。

 ほとんどカスタマイズしないなら、とりあえず3000万円で割安でSAPが導入できる。さてこれを高いとみるか安いとみるか。とにかくこれ入れて使う。会社が大きくなればさらに拡張するというのにも、もとがSAP ERPなので安心というのはあるだろう。うちの会社は3000万円がいっぱいいっぱいですという企業よりは、ゆくゆくは大きくなってSAP ERPを使いこなしてやろうじゃん、ってな企業がやっぱり選ぶべき選択なのかな。

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