ライバルはいない
J-SOX法への対応などが一段落するとBIへのニーズが高まる。米国ビジネスオブジェクツのCEOジョン・シュワルツ氏のこの言葉には、たしかにそうかもしれないなぁというのが正直な感想。その際には、BIというよりもパフォーマンス・マネージメントといったほうがしっくりくるのだろうけど。
先週、ビジネスオブジェクツは、米国からCEOが来日し記者会見をおこなった。その内容については、@ITの記事などで確認してもらえればと。BIは、すでに10年以上も前から、これからはニーズが高まると言われながらなかなか発奮せず、とくに日本市場ではなんとなくニッチなところに追いやられてきたようにも思う。その1つの理由には、旧来からの強力な「帳票が重要だ」という文化があり、BIツールを使いこなすといった発想になかなか行き着けないところにあるのではないか、と思ったりもする。
ところで、今回の記者発表会でシュワルツ氏は、BI2.0を進めている企業のリーダーだと宣言している。BI2.0のキーワードは共有、コラボレーションであり、そこにリアルタイム性を持ち込むことで完成する、というのが氏の話を聞いた上での私の認識。このBI2.0の領域では、ビジネスオブジェクツ社に現状「ライバルはいない」とのこと。記事にもあるように、「今後1~2年は追い付かれることがない」という。
このライバルはいないという言葉、どこかで聞いたなと思ったら、昨年のSalesforce.comの米国でのイベントで、同社CEOマーク・ベニオフ氏のプレスブリーフィングの席でのことだった。Salesforce.comもCRMのオンデマンドサービスからSaaSプラットホームを提供するベンダーになったが、この新たな領域でのライバルは誰かと問いかけたら、「ライバルはいない」との答えが返ってきた。さらに、自分たちは1歩も2歩も先に行っているとも。まさに同じ回答。ベンチャーというには両社ともすでに立派過ぎる存在かもしれないが、市場へのチャレンジャー的精神をもっている企業、そしてそのCEOであるならば、これくらい強気の発言をしてくれると取材していてもかなり面白味がある。