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ATOKの可能性を感じる

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 ATOKファンとしては、たんなる日本語変換機能を超えたFEPって、かなり面白いかもしれないと思わせるものだった。

 ブロガーズミーティングで、ジャストシステムさんからATOKの最新動向を聞いた。FEPって、普段はとうぜんながら日本語変換にしか使っていない。ATOKでは辞書機能が使えるので、変換作業のなかで意味を確認したりと便利なのは知っていた。

 これに加え、いまでは変換している作業から直接地図を呼び出したりといったことができるようになっているとか。これってどれくらい便利かというと、通常なら地名をブラウザなりの入力フィールドに入力してリターンキーを押す。検索結果の中から地図を選んでクリックすると地図が表示されるという、確実に2ステップの作業が必要になる。これが、どこでもいいから入力フィールドに地名をタイプインし、確定するときに地図を選べばいいのだ。つまり0.5ステップで、目的の地図を表示できることになる。

 なにも地図だけではなく、タイプインの変換候補にはさまざまな情報を入れられるとのこと。その変換候補を、企業などならサーバーからイントラネット経由で配信することも可能。この機能を使えば、内線番号とか社内の情報とか、統一意的に活用できる。社内での用語の統一といったことはなかなか徹底できないが、この仕組みなら入力する際に変換候補として出てくるので比較的容易に実現できそうだ。

 変換候補には、RSSや広告なんかも挿入できる可能性があるとか。やりすぎると、なんだか思考を分断しそうではあるが、コンピュータそのものの新たな使い方がここから生まれるのではなんて想像してしまう。

 UNIXでX Windowを使って作業をしていたころは、マウスを利用する頻度が低かった。キーボードの操作だけでターミナルや画面を切り替え作業していて、そのほうがマウスに手を伸ばすより効率がよかった。マイクロソフトのWindows系に変わってからは、なんとなくマウスを使う機会が増え、個人的には作業効率が落ちたかなと感じていた。もちろん、マイクロソフトのWindowsでも、ショートカットキーを駆使すればマウスを使わずに済む。

 マウスを使わずに、どんどん目的のものが利用できる可能性がFEPにはさらにありそうだ。Googleで検索するには、通常は検索結果をマウスでクリックする必要がある。それがFEPの段階でできればタイプインだけでいいのだから、利便性は一気にあがりそう。常に、アプリケーションの手前に位置するFEPの可能性が、ここにありそうだ。であるからして、Front End ProcessorではなくFront Edge Processorなのだ、とジャストシステムは言う。今回は、ソフトウェアの新たな可能性を感じたミーティングだった。

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