オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ICチップ付き運転免許証

»

 15日の新聞に、「広報けいしちょう」というチラシが入っていた。これには、交番の配置見直しで整理統合される件などの情報が記載されていた。都内の交番は、現在940カ所あるそうだ。1人交番と2人交番を統合し、常時交番に警察官がいる状態を作りつつ、広くなったテリトリーを2人パトロールでカバーするという方法のようだ。合理的といえば合理的なのだけれど、統合時のテリトリーの広さによるのかもしれないが、本当にこれで安全が確保できるのかはちょっと疑問に思えた。

 その広報のチラシのなかで、気になった囲み記事があった。「運転免許証がICカードかされます!」というコラムだ。偽造防止を目的に、来年1月4日から免許証をICカード化するとのこと。このこと、私はまったく知らなかった。見た目はほとんど変わらないが、本籍の記載がなくなるらしい。ICチップ側には住所、氏名、顔写真、免許証番号などと本籍の情報が入る。

 パスポートの場合は暗号化によりICチップの情報を読み取られないよう対策しているとのことだったが、こちらはパスワードを使うらしい。で、おいおいと思ったのがそのパスワード、なんと4桁の数字のものを2つも用いるというのだ。氏名、生年月日、免許証交付年月日、有効期間、免許の種類、免許証番号を読み取るにはパスワード1を、本籍と顔写真を加えるにはパスワード2が必要になるとのこと。4桁の数字で、生年月日や電話番号など普段の生活などと関係ないものを2つも用意し、それを使い分けるというのはトラブルの元になりそうに思うのだが。免許証はさまざまな人が必要とするものなのに、この2つの4桁パスワードの利用というのはいかがなものなんだろうか。

 ちなみに、パスワードを3回間違えるとICチップの内容は読めなくなり、警察署や免許の試験場で復旧してもらわなければならない。また、ざっと見た限り警視庁のサイト内で、ICチップが壊れたときの対応についての記載は見つけることができなかった。

 コラムでは、ICカード化の目的として偽造免許証での他人名義の銀行口座開設や携帯電話の利用契約を結ぶことを防ぐとあるのだが、ICカード化で免許証が偽造しにくくなるというのは理解できるのだが、これを活用するには銀行窓口や携帯電話屋さんに免許証のICチップの読み取り装置がすべからく導入されることになるのだろうか?これには、ちょっと疑問だ。仮にパソコンに繋いで簡単に読み取れるようなものであれば、逆にセキュリティ上ちょっと不安にもなる。そうでないとなると、警視庁が安全マークでもつけた機械が各種窓口に設置されるのだろうか。

 ともかく、2つの4桁数字のパスワードは勘弁して欲しい。きっとどこかにメモすることになりそうだ。

Comment(4)