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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

CRMは知っていたけれど

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 皆さんは、CCMという頭字語がなにを表すかご存じだろうか。これは、今日おこなわれたグループワンソフトウェアの記者発表会で登場したもの、自分にとっては馴染みのないものだった。

 CCMは、Customer Communication Managementの頭字語。IT業界お得意の、3文字のアルファベット略称ともいえる。とはいえこれは、まだまだメジャーな存在とはなっていないようだ。顧客とのコミュニケーション管理というのが、すでに市民権を得つつあるCRM(Customer Relationship Management)とどう違うのか悩むところ。記者発表会の説明では、簡単に言えばCRMに実行系を加えた概念で、CRMと連係して実行するものということになるのか。つまり、顧客との「関係分析」だけでなく、それを踏まえ顧客との接点で実際の「アクション」部分をどう管理、運用していくかというものだ。

 今回発表されたのは、まさにその顧客接点部分の製品。記事にあるように印刷物やWebなどの顧客との接点部分をマーケティングツールと捉え、それをいかにして活用するかというツールだ。携帯電話の明細など、受け取る人ごとに異なる内容の印刷物を効率的に印刷し、そこにマーケティングメッセージを挿入したりできる。さらに、Webページで印刷物と同様なものを管理でき、効率的にそれらをアーカイブする機能ももっている。

 CRMを話題にするときに、とかく整合性のとれた顧客データベースの構築や行動履歴などのデータを用いた分析機能にフォーカスしがちだ。本来はそれらをもとにマーケティングのアクションをいかに改善できるかだったり、新たな製品開発にどのように結びつけるかが重要なはず。CRMのシステムになかなか両手を挙げた成功事例が出てこないのは、仮に立派なシステムができあがってもアクションとなる会社の仕組みが変わらず、効果がなかなか現れないからだろうか。分析結果が出てからさあどうやって利用しようかと考えるのではなく、CCMのように顧客との接点でのアクションをどう変えていくかを、当初から念頭に入れておくのがいいのかもしれない。

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