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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

やっぱり次はエージェントだと思う

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 新野さんの「エンタープライズサーチは現在、AltaVistaのあたり?」を読んでいて、そうだよねと頷きつつ、次回予告の「将来やってきそうな企業内情報の重み付けとか、パーソナライズはどうなるのよ?」の部分を、ちょっと妄想的に考えた。

 大学時代の研究室のゼミは、それなりに過酷で鍛えられた。文献を分担して担当し解説をするというものだったのだが、発表時の先輩や先生からの質問が厳しい。先生の鋭い質問もあれば、先輩の素朴な疑問もある。ある程度どういう質問がくるかを予測して、事前に派生するであろう事柄を調べて置くのだが、大抵それだけでは足りない。結局、膨大な宿題を抱えて、翌週宿題について報告し、さらに宿題をいただくという循環に陥る。

 このときに、宿題結果の報告で大風呂敷を広げてしまうと、それに収まらないくらいの宿題をいただくことになるので、うまく質問が収束するように報告をまとめることが重要だった。

 検索を駆使していると、ついつい論点が発散してしまう。途中から自分はなにを調べていたのか忘れてしまうことさえある。欲しかった答えに一発でたどり着けると嬉しいのだが、なかなかそうはいかない。人間が、ある事柄から派生することを調べて報告する際には、得られた結果が膨大であれば適宜枝切りして取捨選択したり、さして詳細が重要でないと判断できたらいくつかの情報をもとにサマライズして分かりやすくまとめたりする。現状のエンタープライズサーチでは、自動的に枝切りや選択、複数の情報をサマライズをしてくれるような機能はない。

 これを実現してくれるのは、エージェント機能だと思っている。もっとイメージしやすくするならば、バーチャル秘書だ。それもかなり優秀な。「XXXについては調べてくれた?」と質問すると「ハイ、XXXはYYYということになっています。YYYは現状ZZZに大きく影響されています。ZZZの詳細をいまご説明しますか?」と応える。「ZZZの詳細はいいので、我が社のZZZ関連のこれまでの実績だけを教えてくれる?」「ハイ、ZZZについては、過去4年間に...」といった具合。なにか質問を投げかけると、莫大な答えをもってくるのではなく、適切な結果とそれに関する重要事項のサマリーを応えてくれるようなシステムが、サーチの「将来」部分ではないだろうか。

 これを真に実現するには、量子コンピュータを駆使した高度なAIシステムが必要かもしれませんが。

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