無線LANタダ乗りは犯罪か
米国で無線LANをタダ乗りして逮捕とのこと。容疑の男性はネットワークに不正アクセスしたとして、第三級の重罪容疑で裁判にかけられるようだ。第三級の重罪というのをGoogleに訊いてみると「コンピュータやシステムにアクセスし被害をもたらした場合、第三級の重罪となり禁固刑7年および15,000ドルの罰金、また、パスワードや他の機密情報を漏洩した場合は、第一級の軽罪で最高で禁固5年、罰金10,000ドル」とのことだ(州によって金額などは異なるかもしれない)。
無線LANのタダ乗りは、パスワードや機密情報の漏洩よりも重い罪のようだ。街中の喫茶店などで無線LANの接続を検索すると、大抵4つや5つの接続先がみつかる。そのうちの1つや2つは、なんらアクセス制限や暗号化がされていないのが普通だ。このような、設置者が意図しないオープンなポイントにアクセスすることが、本当に重罪に当たるのだろうか。犯罪者が身元のばれないアクセスポイントとして利用し、児童ポルノなどの不正情報の流通に使っているという話もあるので罪は罪かもしれない。この場合は、不正にアクセスしたことではなく、不正情報のやり取りが重罪であろう。
先日、自宅で無線LANの設定をしていたときのこと。自分で設定したのと似たSSIDがあり、間違えてそのアクセスポイントに接続してしまった。パスワードも暗号化も設定してあったはずなのになぜ初期化されているのだろうと、あらためて設定しなおした。そこまでやってやっと、他人のアクセスポイントに接続していたことに気付いた。どうやら同じメーカーのルータを利用していたようで、設定画面までもが一緒で作業中はまったく他人の無線LAN環境だとは気付かなかったのだ。第三級重罪、勝手にパスワードの変更までしてしまったので罪は重そうだ。
外出先で、ちょっと拝借してメールのチェックなんて人はけっこういるのではないだろうか。おそらくそのときには、罪の意識はほとんどないはずだ。この事件に関して、eWEEKのコラムに「ネットワークを開けっ放しにしておくことは、ほかのユーザーを招待することになるという全国的なコンセンサスのようなものを作れればいいのにと思う」という意見があったが、まったくもって同意したい気分だ。ともかくのところ、この裁判の行方が気になる。
日本は、正当で安価な無線LANのアクセスポイントサービス基盤がまだまだ貧弱だ。先日から相次いで発表されたライブドアや平成電電の無線LANサービス、その先にあるインテルWiMAXのような広域ワイヤレス・ブロードバンドのサービスに期待したい。それまでは、犯罪者にならないように、マンガ喫茶などを利用するしかなさそうだ。ちなみに、私は外出先ではVodafoneの702NKというPDAのような携帯でIMAPメールのチェックをしている。この機種便利なのだがけっこうバギーなのでしょっちゅう電源のON/OFFが発生、ちょっとイライラするのが玉に瑕だ。