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情報セキュリティEXPOで目立ったオレンジ色のやつ

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 先週東京ビックサイトで開催されていた、第2回情報セキュリティEXPO。ソフトウェア開発環境展やデータウェアハウス&CRM EXPOなど多数のイベントが同時開催されていたのに加え、初日にはビルゲイツ氏の基調講演ありということでかなりの人を集めていたようだ。情報セキュリティEXPOの展示会場には、個人情報保護法施行後のセキュリティ対策ブームの影響もありさまざまなちょっと面白い製品が展示されていた。

 インフォコムは、セキュアOS機能のPitBullのデモを実施。Linuxにクラッキングツールを使って侵入してみせるというデモンストレーションの説明に、真剣に聞き入る人たちがいた。対策を施していないLinuxシステムにインターネットで手に入るツールを使って簡単に侵入できてしまい、さらにPitBullを使うとそれをいとも簡単にブロック。これはよさそうと思わせるのだが、デモンストレーションとしての盛り上がりには欠けるようで、プレゼンをする側は優位性をアピールするのに苦労していた。

 バイオメトリックス認証だけで1つのゾーンが形成されていたり、ハードディスクだけでなくあらゆる記憶媒体の情報を完全消去した後、素材ごとに分けてリサイクルするといったサービスまでもが紹介されていた。自分の周囲だけみていると、現実的にはここまで対策するのだろうかと思われるものもあったが、どこまで対策すればOKということが明確に示されていない個人情報保護法のもとでは、企業は臆病になって過剰な対策をせざるえないのかもしれない。
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 そんななかでひときわ目を惹いたのが、会場の真ん中あたりに置かれていた場違いなオレンジ色のバイクだ。バイク便のバイク急便が出展したセキュリティ便の展示。いかにもいかにものジュラルミンケースには暗証番号を使う電子ロック、なかにはいざというときのためにココセコム(GPSによる探査システム)も搭載されている。電子ロックの暗証番号は、荷送人がQ-BOXという専用のサーバーに登録すると受取人に暗号化されて届くとのこと。株式会社バイク急便には、セキュリティ事業部がありISMS/BS7799を取得済みというのも驚きだ。バイクで運べない大きさのものには、専用の軽トラックまで用意されている。

 これだけ個人情報の紛失があとを絶たないのだから、そこそこの需要は期待できるのではないだろうか。20年くらい前、自分が学生時代にバイク便のバイトをしないかと持ちかけられたときは、待機しているだけでもいくら、そのかわりバイクとガソリンは持込でなんていうえらくいいかげんなバイトだった憶えがある。いまどきは、運ぶライダーもきっちりとセキュリティ教育を受けているのだろうなぁ。

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