IT業界での少し気分がアップする出来事、心持ち役立つこと、ややイイ話

IT業界でのやりがい

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今回も、前回と同じく、わたしが前職で採用担当をやっていたときの話から。
人材企業や学校が主催する就職フェアに参加したときのことです。ブースにやって来る学生は、面接の場とは違い、その会社のことも、IT業界のことも良くわかっていなかったりします。
一通り簡単に説明した後、ここからが本番です。
「何か質問はありますか?聞きたいことがあれば、何でもいいですよ」
まだ会社や業界を絞りきっていない段階の学生に、少しでも会社や業界について知ってもらおうと、問いかけます。
聞きながらも、自分が学生の立場だったら、生まれた時、既に社会人だったようなオジサンに、何でもいいですよ、と言われても、なかなか質問も思い浮かばないだろう、と思ったりもします。でも、最近の学生は、しっかりしているのか、訓練されているのか、きちんと、聞いてきてくれました。
よく聞かれたのが、
「この業界(会社)に入って、良かった、と思うことは何ですか?」
「どんなときに、うれしい、と感じますか」
という、“やりがい”に関することでした。
なんだか、こっちが面接されているような感じですが、学生にとって、やりがいを感じることができる仕事に就きたい、というのは会社を決める上で重要なことなのだと思います。

わたしは、お客様に喜んでもらえたとき、と答えます。
わたしの名前に「要」という字があることから、人に必要とされる人物になりたい、という想いがあり、役に立てた、と実感を持てた瞬間が一番うれしい、という訳です。
でも、「要」という字が名前にない人も、IT業界では、わたしと同じように答える人が多いのではないでしょうか。

数年前の日経BP社の総合情報サイトITProに、「IT業界で仕事をしていて、一番良いと思うことは何か」というアンケート結果が掲載されていました。
トップは、やはり、「顧客に喜ばれたときに、やりがいを感じる」でした。
2位の「仕事そのものにやりがいを感じる」や、3位の「プロジェクトが上手くいったときに喜びを感じる」
を抑えて堂々の1位です。
「ものつくりの楽しさ」みたいな回答は選択肢がないのですが、作るときの面白さは2位の「仕事そのものにやりがい」、作り終えたときの達成感は3位の「プロジェクトが上手くいったとき」の答えに含まれるのかな、と思います。
実は、2位の「仕事そのものにやりがい」、年代別にみると、25歳以下まではトップなのです。大卒だと3年目くらいまでですね。
「顧客に喜ばれたとき」は、26歳~30歳でトップを奪うと、その後の年代では、どんどん2位以下に差をつけていっています。

なぜ、こういう結果になるのでしょう。
3年目に一体なにが起こるのでしょうか。

新人の頃は、技術を身につけて、今まで出来なかったことができるようになる、というのがモチベーションになると思います。
たいてい、先輩や上司から仕事を都度、切り分けてもらって、それに対してアウトプットを出すのが仕事です。
出来るようになれば、もっと高度なものや難易度の高い作業を与えてもらうようになります。
「出来ること」、つまり、自分の「能力」と「作業」がリンクしています。
しかし、3年目くらいになると、一人で任される部分が増え、お客様との打ち合わせに参加するようになり、仕事が、システムに関するごく一部の作業から、システム全体に関わることに変わってきます。
そうなると、「出来ること」と「作業」が、必ずしもリンクしなくなります。
こう作れる、こう作りたい、と思っても、予算の関係でそこまでは出来なかったり、せっかく作ったものが仕様変更でやり直しになったり。

こういう状況では、「ものつくりの楽しさ」だけでは、モチベーションが保てなくなってしまうのではないでしょうか。

その反面、自分たちが作ったシステムが、どのようにお客様の業務に用いられるのか、それによって、何がどう変わるのか、が見えてきます。
お客様と話す機会も増え、「この人を助けてあげたい」とか、「この業務を何とかしたい」とか、システムの目的をお客様と共有できるようにもなってくると思います。

自分の思い通りではなくても、出来る限り良いものを、お客様と苦労しながら作り上げ、導入後、「おかげで業務が回るようになった」なんて、感謝の言葉をもらえたら、やっぱり、うれしいですよね。

そんな体験が出来る(増えてくる)のが、3年目くらいからなのかな、と思います。

Comment(2)

コメント

いいですね!実に分かりやすいです!!
請負の仕事か、自発的に開発する仕事かで、「仕事そのもの」の割合は少し違うかも知れませんね。
私は結構「仕事そのもの」もやりがいですねぇ。

小俣さん、ありがとうございます!
そうですね。コンサルタント、プロマネなど、職種によっても違いはあるようです。
どの職種も、やはり、「顧客に喜ばれたとき」が強いのですが、ソフトウェアデベロップメント職では、「仕事そのもの」が「顧客に喜ばれたとき」をかわしてトップになってました。

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