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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ワークフローがない状態でツール利用を強制されるとつらい

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ソフトウェア開発に限らずだが、定着しているワークフローや洗練されているプロセスの実行を支援するツールは非常に便利で、利用しているとスカッとする。ワークフロー支援が無駄なくビシッと決まっている支援ツールを利用したことがあれば、感じたことがあるだろう。

逆にワークフロー、プロセスが存在しない、あるいは今一歩という状態で支援ツールが介在すると当事者はかなり面倒に感じてしまう。結果として支援ツールがいまいちという結論になってしまうことが多いが、現実には、支援ツール自体のまずさの前に支援ツールと既存のワークフロー、プロセスの不整合が原因となっている場合がある。

あるソフトウェア開発プロジェクトでの開発支援ツール導入の際に痛感したのがきっかけだが、共同研究でパイロットプロジェクト導入済の状態からより多くの関係者やプロジェクトに展開していく場合に、注意している。

とにかくツール導入だけを目的にしてしまうと問題になりがちだ。必ずしもプロセスを先に考える必要はないが、ツールが前提としているプロセスは、利用しようとしている人たちにとって許容できるものかを考えなければならない。支援ツール前提で進める場合もあってよいと思うが、大まかな利用パターンを検討する必要があるだろう。支援ツールはあくまでも根底となるプロセスを具体化したものであり、そのプロセスは関係者にとって無理のないものでなければ「便利だ、使い続けよう」ということにはならないだろう。

身のまわりでうまく機能している支援ツールはどのようなワークフローやプロセスを支援してくれているだろうか。また、評判がもう一つ、というツールはどのようなワークフローやプロセスを前提としているだろうか。

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