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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

VMWare Fusion発売を機に思うこと

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普段とは毛色が異なるタイトルだが、仮想化は非常に重要なテクノロジであり、ソフトウェア開発にも少なからず影響を与えると思っている。個人的に仮想化のようなおもしろいものが好きだということもあるのだが...VMWare Fusionが発売になった。Intel Mac上で動作するVMWareである。Macの上でWindowsのアプリケーションを動かすことができる。他のVMWareよりも仮想化がより進んでいる(溶け込んでいるというイメージ)印象がある。

本題だが、これを機に仮想化が与えるソフトウェア開発への影響を考えてみる。前に書いたことの重複になるかもしれないが、サーバサイドでは、システム設計やソフトウェア設計には直接的な影響があるだろう。負荷分散、冗長化設計、テスト設計はホットスポットといえるのではないだろうか。プログラムにより仮想化された計算機を複製、移動、交換することがあれば、そのような設計、コーディング、テストが必要になるだろう。実行時に計算リソースをある程度自由に確保できるのであれば、要件定義段階では難しいシステムのサイジングをある程度後ろにずらすことができるかもしれない(費用を算出するためにはいつかは価格をfixしないといけないんだが..)。クライアントサイドの仮想化が進んだ場合、どのような変化が起こるだろうか。VMWare Fusionのような形態でアプリケーションが実行できるのであれば、特定業務向け社内システムをはじめとして、ブラウザ等のクライアントアプリケーションを1つに限定して、テスト設計や工数を削減できるだろう。Windowsのバージョンが複数存在して、それらについてすべて動作検証をするというのはよく起こる例といえるだろう。これを1つにまとめることができれば、工数削減につながるだろう。また、クライアントの環境によって、ソフトウェアのインストールがうまくいかない、等の問題も仮想マシンの配布により、抜本的に解決されることが期待される。これらはいずれも大きな問題で、その解決に仮想マシンは重要な役割を果たすだろう。我々自身も研究用プロトタイプを試用してもらう際には、仮想マシンを渡して利用いただくことがあり、インストールの問題を大きく解決した実績がある。しかし、クライアントサイドの仮想化技術はもっと大きな変化をもたらしてくれるのではないかと楽しみにしている。

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