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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ビジネスニーズを満たす新しいテクノロジ

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要求シンポジウムでも講演され、来日されていたRoss Jeffery教授とミーティングを持つ機会がありました。我々のプロジェクトの海外アドバイザの1人なので、ミーティングの多くは最新の状況や進捗報告なのですが、それ以外に、新しいテクノロジがビジネスニーズを満たすことの難しさについて話があがりました。新しいテクノロジの出現と同時にビジネスとしての価値をもたらすことはそれほど多くない、とのことでした。NICTA彼ら(ESE: Empirical Software Engineering)のメインのテーマである、要求仕様とビジネス上のリスクのマッピング、性能予測、アダプティブアーキテクチャはビジネスとしての価値を求めた上で選択したものだそうです。

結局、ビジネスニーズとテクノロジの話はミーティング中ではそれほど時間がとれず昼食中に再び話題にあがりました。45分程度の食事だったので、あまり長くは話せなかったのですが、2つほど話題にあがりました(彼らの分野もエンピリカルソフトウェア工学なので、ソフトウェアの話が中心)。1つめは、リスクベースのテスト(不具合発生のリスクが大きいものに対して、より多くのテストリソースを割り当てる。こう書くとなんとも当たり前の話ですが。)など、ソフトウェアの大規模化に伴ってポイントを絞る手法が分野によっては注目されつつある。これはおそらくビジネスニーズによるものだろう。もう1つは、ちょっと前のニュース記事や携帯電話(端末開発)会社のプレスリリースにあるとおり、携帯電話のCPUも2基搭載や複数コア等によって、信頼性重視の基本機能(通信機能)、新機能重視の付加機能(いわゆるアプリケーション)を分けるようになってきていること、これらによって開発の並行化がある程度可能になったり、開発体制を別々にすることも可能になっている等の話をしました。こういうアーキテクチャや開発体制もビジネスニーズからであろう、というものでした。

昼食中の雑談として、ISERN2000という会議での食事(タロイモのスープ)のことでも盛り上がりました。このwebページの写真の最前列左から2番目がJeffery氏、最後列左から2番目が私。最後列左から4番目にはCOCOMOで有名なBoehm氏も写っています。

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