ミッキー・グレースの頑張れニッポン!:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS)

ミッキー・グレースの頑張れニッポン!

世界から憧憬される骨太なニッポンになろう。カリフォルニア発日本応援歌

毎朝の日課となっているコーヒー片手の数独。
ながら族で聞いているNPR(米国公共放送)だけれど、時々おもしろい表現に出会うことがあります。

なかなか解けない数独に夢中になっていたので詳細は聞き逃してしまったけれど、何かの番組でオバマ大統領を誹謗中傷するような発言をしたコメンテータ(?)が番組を降ろされ、放送業界出入り禁止となったというような内容のコメントが、BGMとして流れていたその時。

"Even with the 7-second delay, you cannot remove all profanities and bloopers."

7-second delay?  7秒遅延?

この表現は初耳でした。ニュースの同時通訳はその正確性を担保するために、実は厳密に言うところの同時通訳ではなく「時差」があるという話は聞いたことがあったけれど、生のラジオ放送における遅延については全く知らなかったのです。

さっそくWikipediaで調べてみました。

In radio and television, broadcast delay refers to the practice of intentionally delaying broadcast of live material. A short delay is often used to prevent profanity, bloopers, violence, or other undesirable material from making it to air, including more mundane problems such as technical malfunctions or coughing. In this instance, it is often referred to as a seven-second delay or profanity delay. (http://en.wikipedia.org/wiki/Broadcast_delay)

どうやら放送遅延というのが一般的な専門用語で、7秒遅延というのはそのニックネームのようです。

このWikiページの日本語版は引用した箇所の対訳がないので、一応、要約しておきますね。
「ラジオやテレビにおける放送遅延とは、生の放送素材を意図的に遅らせる操作を指す。短い遅延を使って、放送禁止語やいい間違い(トチリ)、暴力、その他の望ましくない素材が放送されてしまうことを防ぐために使われることもあるが、多くは技術的な不具合・故障や咳など普通の問題に対処するために使われている。このような用法においては、7秒遅延や放送禁止語遅延とも言われる。

放送の技術的なことはよくわかりませんが、ビーという音をかぶせて「Sh**」や「F**k」が放送されないようにするための時間なのかも知れません。

たかが7秒、されど7秒。 実際にストップウォッチで図ってみると7秒はかなり長い時間ですよ。普通に喋っても50から70文字分くらいは話せるような気がします。
同時通訳している時の7秒バッファーはかなり大きな容量で、かなり熟練してこないとこれだけのバッファーを維持することはできないです。

というのは脱線ですが、、、、。

7-second delay を他の場面に転用している例はあまり聞いたことがないです。そもそも7-second delay という表現を知ったのが今朝のことでしたから。なのでこの表現を掘り下げていくつもりはないのですが、profanity についてちょっと考えてみました。

BGMとして聞いていたニュース解説なので、私の記憶にはPresident Obama profanity という単語のみがインプットされ、「オバマ大統領を誹謗中傷した」ように思考回路が働いたのです。Profanity に「誹謗中傷」という意味があったかしら?

Profanity: 不敬、口汚い罵り、淫らな言葉、冒涜する言葉 (英辞郎オンライン版より)
誹謗、中傷:obloquy、libel (英辞郎オンライン版より)

Obloquy(オブロクィ): Public shame or reproach, abuse, discredit (オックスフォード英英辞典)
Libel(ライベル): Written or printed statement that damages subject's reputation (オックスフォード英英辞典)

どうやら同じ誹謗中傷でも、Obloquyは公に誰かのことを避難したり信用を傷つけたりすることで、libelのほうは書面でそうすることという違いがありそうです。いずれにしても profanity とは意味が異なりますね。

そうなると、どういう文脈で「オバマ大統領」、「放送禁止語」、「番組降板」、「ペナルティーボックスから出てきた今は、、、」という表現を耳にしたのかわからないのが悔やまれます。

それでもまあ、7-second delay, obloquy, libel という新しい単語を3つも覚えることができたので、週末の収穫としてはまずまずとしておきたいと思います。




ミッキー・グレース

Takeを名詞で使ったことがありますか?

最近、プレゼンテーションの最後にこのTakeを耳にする機会が増えたような気がします。

「結論」のページのタイトルとしてSummaryが良く使われていますが、そのスライドを説明する際の切り出し文句として

This is what I want you to take away with you.

Here is the takeaway of my presentation.

があります。

スライドに書いてある事(表現)と口頭で説明する時の表現が重複しないようにするというのはアメリカプレゼンテーションの原則の一つです。英語でも文語表現と口語表現を使い分けるということですね。サマリーの代わりとしてこのTakeawayが使えるのです。

I am going to summarize my presentation.

は、いかにも和文英訳したような印象を与えてしまいます。

それに”I want you to do"なんて、オーディエンスとのやり取り(interaction、engagement)があって、とってもアメリカンな表現でしょう?

ぜひ今度

This is what I want you to take away. を試してみてくださいませ。


Takeawayは例文にもあげたように、おそらくTake awayという表現が名詞化したものだと想像できます。Takeawayは、ピザやハンバーガーのTakeoutのように「お持ち帰り品」という意味でも使われます。ヨーロッパなどではtakeoutという看板よりはtakeawayを目にすることが多いのではないでしょうか。

Takeawayを名詞で使う時にはtake-awayとハイフンを入れるか、またはtakeawayと一語にします。(今では一語の方が主流です。)

プレゼンテーションで使うtakeawayも「お持ち帰り品」という意味ですが、これを日本語に直訳して「習得して頂きたい事項」というのもしっくり来ません。せいぜい、「(このプレゼンの)要点、ポイント」程度の訳語が自然でしょう。でも意味としては「お持ち帰り頂きたいポイント」なのです。


さて、前置きが長くなりましたが、takeには名詞もあるんだと思ってあらためて辞書を引き直してみると、、、。もちろん動詞のtake(「行う」やその派生形)の名詞形の意味もありますが、それ以外に「見解」「見方」「意見」という意味も出ていました。

これです、これです!

What's your take on this?

この問題についてのあなたのご意見は? 

Take on thisは覚えておくととても重宝する表現です。

あなたのご意見は?を英訳する際に

What is your opinion?

という表現もありますが、ちょっとぎこちない感じがします。

What do you think?

インフォーマルな感じ。友達との会話ではこれで十分ですが、ビジネスの場で使う時はもうワンランク高い表現が欲しいです。

そんな時にこのWhat is your take?を知っていると、フォーマル過ぎずカジュアル過ぎず、表現の幅が広がって良いのではないかと思います。

ミッキー・グレース

先日NPR (National Public Radio)のコメントを聞いていたら、なんとオックスフォード英語辞典(OED)にはRunの定義が645個も定義されているのだそうです。用例ではなく定義が645個もあるのですね。これは裏を返せば、日本語から英語に訳すときにRunの利用が思いつくかどうか、かなり難しい問題だということになります。

今日のテーマはGo。

というのは、昨日のディスカッションの中で出て来た、I will explain how we go about it という表現が印象に残ったからなのです。

To go about itは、それを実行する、それに取り組む、要するに「やる」という意味のイディオムです。

Our vision and how we go about it

[我々のビジョンとそれに対する取り組み]

If I want to become a translator, but don't know how to go about it, where should I start?

[翻訳者になりたいのですがどうしたらなれるのかわかりません。何から始めたらよいですか?]

To go about it は to do itと同義と言っても過言ではなさそうです。


似たような表現にto go for it があります。

こちらは耳にしたことがある人も少なくないのではないでしょうか?

You should go for it. 

[ぜひやってみたらいいよ。]

Let's go for it.

[やってみましょう!]

Let's do itとLet's go for itとは似て非なるニュアンスがあります。

let's do itは単純に「さあやりましょう。」という意味ですが、Let's go for itは「やってみよう」「挑戦してみよう」という目的に向かって努力するみたいなニュアンスを含んでいます。

ミッキー・グレース

6月1日。日本は衣替えの日。
東日本大震災の影響で「超クールビズ」が提唱されているらしい。
Tシャツやジーンズが許容されるというのは、カジュアルで知られるシリコンバレーでもドレスコード(服装規定)に反するので賛成できないが、アロハシャツやポロシャツは歓迎してもよいのではないかと思う。

例年であれば、すっかり初夏の陽気になっているはずのシリコンバレーだが、昨年に続き今年も冷夏の兆し。1月に小春日和があったきり、全然「春らしい」陽気にならなかった。
しかも、とっくに雨季はおわってもよいはずなのだが、今日も、ひとしきり雨が降った。

異常気象!

カリフォルニア州とネバダ州の境にあるタホ湖では、先週末は標高1300メール辺りから雪が降ったらしいし、7月4日の独立記念日の祭日でもまだスキーができそうだと言う。
イエローストーン国立公園も雪のため「冬季通行止め」の道路の開通が遅れそうだということだし、積雪量が多くて雪解け水が増水し、ミシシッピ川は氾濫が続いている。

今年は大変な年になりそうだ。

さて、話題は変わって、、、、。
昨日の鹿児島大教養課程の「国際プロフェッショナル概論」は私の担当の分でした。これは鹿児島大北米センターから遠隔で行われている授業で、毎週、異なる講師が登場してプロフェッショナルとなった経緯やその分野について語るというコース。
教養課程の学生の好奇心を刺激しようという目的があるのです。

80名ほどの受講生の大半は、ピッカピカの一年生。青少年から大人・成人への過渡期なのでしょうね。まだ幼さを残している人も少なくありませんでした。

新入生歓迎会も終わり、サークル、同好会への入部も決まり、キャンパスにも慣れてきたという頃なのでしょうかね。

(いつも今頃の時期になると「五月病」というのが私が学生の頃は流行っていたのですが、今でもあるのかしら?)

日本では4月が新学期、新学年。新しい会計年度の始まり。

仕事の面でも心地よい緊張感があります。

ところが、ゴールデンウィークが終わった辺りから、アメリカではそろそろ大学の卒業式の季節。「卒業おめでとう」カードや風船、さまざまなギフトなどが店頭に並びます。

そして、大学が次々に卒業式となり、オバマ大統領初め、有名人、著名人は卒業式で祝辞を述べるためにいろいろな大学に招待されてスピーチをすることになります。その様子はいろいろなニュースでも紹介されていることでしょう。

6月に入れば高校の卒業式。そして半ばには小学校、中学校、高校揃って終了式。2ヵ月半の長い夏休みに突入です。

一方この頃、日本はまだ中間試験が終わったばかり。梅雨が始まってまだ夏の到来にはすこ~し時間があります。

7月8月のアメリカはヨーロッパほどではないにしろ、家族揃って夏休みを楽しむ傾向が強いです。キャンプに行ったり、国立公園に行ったり、もちろんディズニーワールドも毎年上位にランキング。

最近の日本も8月はお盆休みと称して一週間の休みを奨励する企業が増えてきたようです。

よって私の本業(会議通訳)も8月は開店休業。4月に新年度が始まってから、GWがあったり、アメリカは卒業式ムードが続いたりしてなかなか仕事に本腰が入らないでいるうちに夏休みモードになってしまうのです。

以前は9月の勤労感謝の日(Labor Day) の翌日から新学期が始まるのが通例でしたが、ここ数年は授業時間数が足りないのか、8月後半から始まる学校が増えてきています。

またまた私の頭は混乱。まだたっぷりと楽しめる夏が残っているというのに学校は新学期ムードとなるわけです。

9月、10月は展示会や学会シーズンでもありますし、下期に入って日本から出張者が多くなります。休みボケも取れ、季節も良くなりますので、頑張って仕事ができる時でもあります。

でもいつの間にか日が身近っていることに気が付く時期でもあります。つい先日まで8時を過ぎてもまだ明るいと思っていたのに、この頃になると6時半頃と言えばもう薄暗くなります。何となくもの悲しい気分になってくるのもこの頃。これからどんどん日が短くなるのだなぁと思うと胸がキュッとなってしまうのは私だけでしょうか。

そして11月。第4木曜日は感謝祭。もうここまで来たらアメリカは「クリスマス・年末」モードへ突入です。感謝祭は親戚や友人が集まるクリスマスに勝るとも劣らない民族の大移動となる時期。翌日の金曜日はクリスマス商戦解禁日でブラックフライデー。感謝祭で集まった母娘、姉妹、友人同士が開店と同時にお店に駆け込む様子は正に狂気の沙汰。(その後にサイバーマンデーが続くのですが。)

感謝祭が終わって12月に入ったらもう忘年会(クリスマスパーティー)の連続だし、クリスマスを控えて、サラリーマンも気もそぞろ。もう仕事に集中できるような雰囲気ではありません。かろうじて出社していても、もう半ばを過ぎたら仕事にはならないです。

22日頃から皆クリスマスの休暇に入ります。そして26日から31日までマジメに勤務する会社もありますが、シリコンバレーの多くの会社は24日から1月2日までがクリスマス+新年のお休み。この時期の道路の空いていることと言ったら。

クリスマスが家族で過ごす祭日なら、大晦日は友人同士が集まる(ドンチャン騒ぎになる可能性が高い)祭日。カウントダウンでゼロ!が叫ばれると、ハッピーニューイヤーが連呼され、シャンパンの栓が抜かれ、爆竹が鳴る。とっても賑やかなアメリカらしい新年の迎え方は、除夜の鐘を聞きながら白い息を吐きつつ神社参りをする日本とは対照的。

しかも2日から平常業務に戻るアメリカに対し、日本は「三箇日」をしないとお正月が来た気分にならないです。お正月を日本で過ごせば、アメリカへ戻ってくるのはどうしても7日あたり。日本からの出張者が来始めるのはどんなに早くても15日過ぎ。

そして、何となく日が長くなってきた気がすると思っていたら、1月末にはサクラ(日本のソメイヨシノとは違う種類)が咲き出すシリコンバレー。春はもうそこまで!

気分も何となくウキウキし、元気が出てくる頃。

ところが日本は2月あたりで大学は春休みに入ってしまうし、3月後半は年度末の決算でバタバタしている。そして1年が終わる。

アメリカと日本のビジネスや学校のサイクルが微妙にずれていて、何かこう、リズムに乗り切れないという感じがいつもしているのです。勢いに乗っていたと思う頃、他方が休みモードだったりして、何となく肩透かしを食わされる。

入梅前から台風が来ている日本。とっくに雨季が終わって毎日晴天のはずなのにまだ毎日天気予報から目が離せないリコンバレー。卒業式が雨、なんて絶対にありえないはずなのに、テントの準備に悩んでいる地元の高校の話を聞きながら、何か歯車があっていない気持ちがぬぐえない今日この頃です。

ミッキー・グレース

早朝ジョギングが気持ちの良い季節になりました。
「裸足感覚のランニングシューズはブレークするか?」という某社の記事を読んでいて出会ったビブラムファイブフィンガーシューズ。

奇抜な発想。
斬新なフォルム。

5本指製品は、靴下から始まって、今やジョギングシューズにまで発展しているのですね。

このシューズ、地下足袋を彷彿させると思ったら、なんと地下足袋にもスポーツジョグというジョギング用がありました。

日本のメーカー?と思ったビブラム社は、実はイタリアのゴム底のメーカーだったのですが、、、、。

さて
How many fingers do you think we have?

人間のフィンガーの数は何本だと思いますか?
10本? 20本?
正解は8本。

引掛問題でしたね、ごめんなさい。
普通、英語でフィンガーと言えば手の指。しかも親指は入らず、人差し指から小指までの計8本なのです。

親指はサム(thumb)。
そして足指はトウ(toe)。トウには足の親指も含まれますので、私達には10本のトウがあります。

サムを使った表現としては
Rule of thumb
経験則、おおまかな目安、おおまかな原則という意味です。

Not to read what the slide says is a rule of thumb of a good presentation.
(スライドに書いてあることはそのまま読まないのが良いプレゼンテーションの原則の一つだ。)

Green thumb といえば園芸の才。
I don't have a green thumb.
(私は何を植えても枯らしてしまうのよね。)

トウはバレエのトウシューズ(toe shoes) のトウです。
牽引するのトウ(tow)と発音は同じですが、綴りが違うので注意しましょう。

toe the line というイディオムもあります。規則に従うという意味で使います。
If you want to join the club, you will have to toe the line.
(このクラブに入会したいなら、規則に従わなければならないよ。)




ファイブフィンガーシューズは商品名ですので、敢えてトウではなくフィンガーを使ったのだと思います。





ミッキー・グレース

Dressing_platform

アメリカにはこのような「更衣用の台」というコンセプトがないらしいです。

家の中でも靴を履いているという習慣がある国ですので、着替える時に靴を脱いであがる特別な台が必要だという考えが思いつかないらしいのです。

床が不潔でも、後で足を洗えば良い程度にしか考えないのかも知れません。

従って、更衣用の台という日本特有(?)の設備はその目的や使い方も説明してあげるのが親切なのかも知れません。


Dressing Floor → Dressing platform, Changing platform

「更衣用の台」そのものが英語圏に存在しないのであれば、どのような名称で呼んでも良いのですが、英語的な発想からすると、これはあくまでも台であって、床ではありませんので、「floor」と表現するのは適切とは言えません。
台ですからプラットフォームあたりがよいのではないでしょうか。

似たような設備にオムツ交換台があります。こちらは「テーブル」で表現できます。
イメージとしては、テーブルは宙に浮いている感じなのに対して、プラットフォームは一般的な台で汎用性があります。

ご使用後は元にお戻しください。
Upright position after use.

この英語は日本語に翻訳すると「使用後の立てた位置」という意味になります。
なぜならば、position が名詞で、upright はそれを修飾する形容詞だからです。

正しく英訳する場合にはそれらしき単語を並べれば良いというわけではありませんので、品詞にも注意し、文の構造を考える必要があります。

さて原文に戻りますが、英語に直訳すれば
Please bring back the platform to the original position.

Upright を使いたい場合には
Bring the platform back upright.
または
Bring the platform back to the upright position.

ただしBring the platform back to upright はNGです。
to は前置詞なのでその後ろには名詞が来なければなりませんが、uprightは名詞ではないからです。

さて元の位置に戻す(格納する)という意味を持ったぴったりの単語があるのですがわかりますか?

それは stow
Please stow the platform after use.

このstowという単語は、飛行機の機内案内で、「離着陸の際にはテーブルを元の位置に戻し、手荷物は頭上の物入れまたは前の座席の下にお仕舞いください」の時に使われるあの stow です。

人工衛星のアンテナがまだ展開されずに折り畳まれた状態にあることも「stowed position」と言います。

せっかくの更衣台に土足で上がられないように注意書きがあった方が親切ですね。
Please take off your shoes before stepping on.
Please remove your shoes on the platform.

など。

国際化を目指す日本。Yokoso Nippon!の看板を掲げているのですから、せめて国際空港の公共施設くらいは掲示板に正しい英語を使いたいものです。


ミッキー・グレース

新年を迎えてからのサンフランシスコ・シリコンバレーは、穏やかで暖かい日が続いています。年内は例年以上に降っていた雨も、年が変わってからはピタリと止まってしまい、雨の降らない日がひと月も続いています。
けれども穏やかな冬が続いているのは、カリフォルニアだけで、同じアメリカでも東海岸のボストンやニューヨークでは連日大雪が降り、航空便のみならず、生活のさまざまな面で影響が出ているようです。

I am tired of the snow.
A white wonder land is getting old.
と言えば、銀世界もそろそろ飽きてきた、雪ももううんざりだ、という意味になります。

間もなく、スーパーボウルですね。
この時期は、五大湖周辺のミネソタ州やウィスコンシン州などは猛烈に寒くなります。フットボールの中継でも、ダウンコートに毛糸の帽子をまとった観客や監督がよく映し出されますし、大雪の積もったスタジアムで、選手がすってんころりんしながら試合している場面すらめずらしくありません。

温度表示に摂氏を使う日本では(世界の大半はメートル法なので摂氏ですが)、氷点下と言えば、0度を下回った状態を指しますが、いまだに華氏を使っているアメリカでは、氷点は0度ではないのです。

アメリカで零下(サブゼロ=sub zero)と言えば、摂氏ー17.7度です!
この場合のサブはサブマリンのサブと同じ。~の下という意味です。

Subzero temperature returns to the region
Arctic air that began moving into the region Friday night will drop thermometers below zero this weekend and cause dangerously cold wind chills.

(この地域の気温は再び零下に。北極圏の冷たい空気が、金曜日の夜からこの地域に入り始めており、今週末は零下の気温となり、(風冷効果による)体感温度は危険な状態となるでしょう。)

寒い話ばかりしていては、心までが冷え込んでしまいそうですね。

話題は代わり、ゼロタッチという表現を聞いたことがありますか?

Zero-touch, high-volume deployment of thin client.
大量のクライアント端末を、ゼロタッチで展開

タッチゼロ ⇒ まったく手をかけずに ⇒ セルフサービスで

構築チームの作業員の手をいっさい煩わせることなく、(ゼロタッチだからこそ)、大量に展開できるという発想なのです。

このzero-touch(ゼロタッチ)は、アフターサービスやカスタマーサービスの分野でもよく使われます。この場合は、セルフサービスというニュアンスが強くなってきますね。

最近は、コスト削減のため、アメリカではセルフサービスを奨励する傾向にあります。コスト内訳のなかでも人件費が占める割合が高いアメリカ。企業ではいかにして人手をかけないで済むかを考えるのです。

また、もともとアフターサービスやカスタマーサービスの品質が低いという定評があるアメリカなので、へたなサービスをアテにするより自分でやった方がマシという消費者心理と相まっているのかも知れません。

いずれにしても、サービス品質の悪さが、合理化や自動化の牽引力になっているというのは皮肉ではありませんか。

ゼロタッチの反対に、手厚いサービスを施すことは high-touch と言います。

代理店や再販業者を介しての間接営業に対し、High-touch sales と言えば、直接営業のことを指します。

High-touchの類語にhigh-maintenance があります。文字通り、メンテのコストが高いという意味。自動車でも、イタリア車はhigh-maintenance car というありがたくない評判になってしまっていますが、もっとよくお目にかかるhigh-maintenance の用法は

He got a really high-maintenance girlfriend.
彼の魚は釣った後の餌代が高くついているようですね。(笑)






ミッキー・グレース

必要なのは爆弾ではなく、太陽なんだ:QI事件について

スティーブン・フライがホストを務めるBBC放送の人気コメディクイズ番組QIが日本で物議を醸し出している。この日の放送で、広島と長崎で被爆 した山口彊氏のことを「世界で最も運が悪い男」と紹介したからだ。早速、日本大使館がBBC放送と制作会社に対して抗議を申し込んだと報道されたが、TV や新聞の論説、ツイートやブログからも明らかなように、日本国内では怒りと憤りが広がっている。

外国の人には、日本人が抱く原爆に対する恐ろしさと怒りは理解し難いかも知れない。諸外国はその被害の大きさしか想像することができないだろうか ら。しかし日本人は、歴史の紆余曲折を経て、実際に原爆を体験してしまった。それは単なるフィクションや映画の一シーンではなく、厳しい現実の一つなの だ。この点において、明らかにBBC放送と制作会社は、人類にとって20世紀最大の悲劇の一つに対する思慮や配慮が欠けていた。

ただし、これは意図した悪意ではなく、日本人の感じた怒りはおそらく齟齬に端を発するものであろうことも指摘しておきたい。博士課程修了後、ケン ブリッジ大学において楽しく満足な2年間を過ごし、その後も毎年のようにイギリスを訪問している私は、あのイギリス流のユーモアが大好きであり、尊重もし ている。スティーブン・フライ氏が好感の持てるリベラルな知性派であることも知っている。私は、QIという番組でも、ブラッカダーシリーズのような他のフ ライ氏の代表作でも大笑いする。だからこそ、今回のQIが我が母国においてこれほどの怒りと悲しみをもたらしたことが大いに残念である。

イギリス流のユーモアは、難しい社会問題を題材にする。それは時に大きな論議を呼ぶところまで突っ込んでいく。危ない綱渡りも覚悟の上だ。数年前 に東京で対談したデビッド・ワリアムズ氏は、いつも狙ったところに当てるは難しいと言っていた。ワリアムズ氏とマット・ルーカス氏は、『リトル・ブリテ ン』制作において、挑発しながら笑わせることと罪のない人を傷つけてしまうことのぎりぎりのバランスを突き詰めていた。

コメディの制作におけるこの勇気は賞賛と尊敬に値する。フライ氏はとても勇気があり、啓発される。しかし、最前線を開拓する者は時にその代償を払うことになるということも、我々は忘れてはならないのだ。

私は、この事件が、今までなかなか実現しなかった日本とイギリスの深い意思疎通のきっかけになることを願って止まない。怒りの暗雲で始まった問題が最後には明るい笑顔で終わることを節に祈っている。

私達に必要なのは、爆弾ではなく太陽なのだから。

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茂木健一郎氏の原文(英文)はこちら

We need sunshine, not the bomb: The QI incident.

An episode of QI, BBC's popular comedy quiz show hosted by Mr. Stephen Fry has caused an uproar in Japan. In this particular episode, Mr. Tsutomu Yamaguchi, who survived both the Hiroshima and Nagasaki atomic bombs, was introduced as "the unluckiest man in the world". As it was reported that the Japanese embassy made a protest to the BBC and the production company, indignation and anger spread in Japan, as was apparent from television shows, newspaper editorials, and tweets and blogs that followed.

It might be difficult for someone outside Japan to understand the sheer horror and anger associated with the atomic bombs. After all, other nations just imagine how damaging it is. Japanese people, by the turns and twists of history, have actually experienced it. It is not just a fiction or a movie scene. It is a hard reality. In this respect, the BBC and the production company clearly lacked imagination and respect to one of the most traumatic human experiences in the 20th century.

Having said that, I would also like to point out that the outrage came perhaps from a miscommunication rather than an intentional malice. As someone who spent two years of happy and stimulating postdoc days in University of Cambridge, and who have been visiting the U.K. almost annually ever since, I deeply love and respect the British sense of humor. I know Mr. Stephen Fry to be an intelligent, loving, and liberal man. I adore the QI show, just as I admire other Stephen Fry legends like the Blackadder series. How sad that this particular episode of QI caused anger and sadness in my native land.

The British sense of humor means that you confront difficult social issues, sometimes verging on the outrageous. It is like an act of walking on a tight rope. When I met with Mr. David Walliams in Tokyo several years ago, he said that it is always difficult to strike the right code. In creating Little Britain, Mr. Walliams, together with Mr. Matt Lucas, had to seek a difficult balance between being enjoyably provocative and saddening innocent people.

Trying to be courageous in comedy making is laudable and reserves all the respect. I know Mr. Stephen Fry has been very courageous and inspiring. Being a pioneer, however, sometimes comes with a price, a point all of us should perhaps appreciate.

I hope that this incident will start a much needed in-depth communication process between Japan and the U.K. I sincerely wish that what started with a dark cloud of anger would end in a peal of laughs.

We need sunshine, not the bomb.

ミッキー・グレース

最近、日本に行くたびに首をかしげてしまう経験があります。

あちらこちらの看板で「ハートフル」という表現が使われているのです。heart04


ハートフルグループという介護老人保健施設に始まって、日通ハートフルなど企業名にハートフルを使っている例も少なくありません。
また「バリアフリーのハートフルルーム」(東急イン)や「ハートフルレッスン:ソニーのITエンターテイメントセミナー」のように、宣伝広告にハートフルという表現を使っている例も見かけます。

「ビューティーに対してビューティフルがあるのだがら、ハートに対してハートフルでおかしくないはずだ」という理屈は良くわかるのですが、でも何となくしっくり来ない。

そこで調べてみました。
確かに heartful という単語は存在していますが、それは古語で、現代英語では heartfelt という表現の方が一般的になっています。「現代英語においてheatfulは和製英語である」と言っている辞書もありました。

Heartfelt は、「心の底から」「心をこめた」という意味で、そのニュアンスは

heartfelt congratulations (心からのおめでとう)
heartfelt gratitude (こころからの感謝)
heartfelt sympathy (心からのお悔やみ(弔辞の決まり文句))
heartfelt remorse (心の底からの後悔)

と言った用例によく現れています。

Heartfelt の代わりに hearty が使えると解説している辞書もありました。
hearty congratulations という用例を見ると、heartfelt とhearty はどちらを使っても良い(interchangeable)ように思えます。どんな場合でも interchangeable でしょうか?

米国西海岸に住んでいる限り、hearty は、hearty appetite (旺盛な食欲) hearty soup (栄養たっぷりのスープ)のように「元気がある」「元気になる」という意味の用例が主流にように感じます。そしてhearty と heartfelt のどちらを使っても良い場合には heartfelt が使われているというのが実感です。 

それはさておいて、なぜ日本に来てこのハートフルが気になるかというと、、、、。

ハートフル(hurtful)は日常よく耳にする単語で、「悪意のある」「相手を傷つけるような」という意味の形容詞です。カタカナでハートフルと書いてしまうと heartful なのか hurtful なのか区別が付かないのです。しかも heartful は和製英語の可能性が高く、私はどうしても hurtful を思い浮かべてしまうがゆえに、この「ハートフルの氾濫」に違和感を感じるというわけです。

Heartful とHurtful とでは意味がまったく逆になってしまいます。「心を込めた善意」を表しているつもりが相手には「相手を傷つけようとする悪意のある」と誤解されたら大変なことになってしまいます。

グローバル化、日常生活の中での英語の利用は良いことです。せっかくそういう気運があるのであれば、誤った用法を覚えないように注意したいものです。


ミッキー・グレース

前回の記事に対して、「走れプロジェクトマネージャー」の大木さんがコメントしてくださいました。

彼はブラジルのクリーニング店は日系人が多いと、その記事の中で述べておられますが、アメリカにも似たような現象があります。アメリカというと語弊があるので、SFベイエリアでは、とこのシリコンバレー近辺に限定した話としますね。

この辺りでは、クリーニング屋さんは、タイとかベトナム系が多いです。
ビデオレンタルは韓国系。
リカーショップはイラン、イラクなどの中近東。
薬局の薬剤師は中国系。
TSAに代わる以前の空港の手荷物検査はフィリピン系。
そして最近、ドラッグストアやホームセンター等のレジにインド系の女性を多く見かけるようになりました。

日系人が多いのは、ナースリー。ナースリーと言っても託児所ではありませんよ。苗木店のこと。草花というよりも庭木を扱っている店に日系人が多いです。果樹園の経営者やサクラメント方面の米農家もいらっしゃいますけれどね。

起業についてTwitterにコメントしたら、早速フォローしてきた高校生がいました。Followerから削除してしまったので引用できずに残念ですが、要旨をまとめると、彼との会話はこんな感じ。

彼: 「学校に行っている時間がもったいなく感じられる。何でもいいから起業したい。起業して家を出て独立したい。」

私: 「起業ってどんな仕事をしたいと思っているの? あなたにとっての起業って何。その定義は? 事業計画は立てたの?」

彼: 「起業なら何でもいい。独立できて、大儲けすることが目的。事業計画なんてないよ。」

こんなやり取りをした瞬間に、これは相手をするだけ時間の無駄と思い、彼をブロックしてしまったのです。punch  数件のベンチャー投資家との打ち合わせをした後だったこともあり、事業計画もない、起業なら何でもいいという彼の態度に私は短気を起こしてしまったのでした。

日本人はクリエーターというよりはエンジニアだと欧米人は我々のことを見ているようです。

奇抜な発想、既成概念に囚われない型破りのアイデアというのは苦手でも、「極める」ための「匠の技」を持っているのが日本人。誰かのアイデアをさらに良いものに改善する、より効率的、より高い品質、信頼性の実現は得意なのが日本人。

けれども日本人は、その「匠の技」の成果をどこに活かせるかを見つけることがなかなかできずにいます。何が求められているのかを見極めきれない。自分達に匠の技があるが故(?)に、巷の「こんなものがあったら良いのにな」に気が付かないのです。

私達には与えられた環境を従順に受け入れてしまう特性があるのかも知れません。良く言えば適応力がある。けれども裏返せば、不満が見えないのかも知れません。

bud こんなことができたらいいな。

clover こんなものがあったらいいな。

note こんなことができたらおもしろいのにな。

これらは、市場開拓の原点。

奇抜な発想で夢を実現するのも良し。

匠の技を使って最高峰を目指すのも良し。

起業の種はそこにもここにもあるのです。

皆が求めているものであれば、自然に売れる。

売れればビジネスが成り立つ。

売れそうなものには、投資家が資金を提供してくれる。

それが起業の原点。

起業で儲けるのは結果論であって、まずは人々が何を求めているのかを見つけ、彼らを喜ばせ、満足させてあげること。

日本人にはおもてなしの心があります。人が何を求めているのか、何を提供してあげたら相手が喜ぶのか。私達は、言われなくても察することができるのです。

これを活用したら、いくらでもビジネスになります。どれだけ儲かるかは、どれだけ喜ばれるかに比例しているのです。

日本語では、「サービス」が無償でやってあげることという意味を持っていますが、欧米ではサービスは価値のあるもの、対価を払って得るものと考えます。それなら、ピカ一のサービスを一流のビジネスにできるはず。

起業、起業と騒ぐ前に、自分は世の中のために何ができるのかを考えることが先決ではないのでしょうか? 世の中は何を求めているのかを探求せずに、儲けることだけを考える自分本位な起業が成功するはずはありません。

ミッキー・グレース

プロフィール

ミッキー・グレース

ミッキー・グレース

シリコンバレーの屈指のカリスマ通訳。通訳歴20年のベテラン。
ここ数年は、名古屋大、東北大COE特別講義や企業ワークショップを通じて、国際人育成・地力英語教育にも尽力。
カリフォルニア大学サンフランシスコ(UCSF)小児精神科修士、千葉大学看護学部卒。実は白衣の天使だった!?

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