ベンチャーの広報はどうしたらいい?(広報マーケティングアドベントカレンダー2017)
今年も広報マーケティングアドベントカレンダーを実施することとなりました(参加者募集中です。詳細はリンク先でご覧下さい)。その第1日目ということで、主にベンチャー企業を対象として、広報のノウハウの学び方、身につけ方について、OJT型、伴走型のPR会社について書きたいと思います。
超大手企業にはそれなりの人数の広報部があり、自社内で完結している所が多数です(イベントの運営等にはイベント会社がサポートします)。外部からの取材依頼に対応する部門、社内から発信する部門が分かれている事も多いのです。ネガティブ報道に関するリスク管理も重要な仕事となります。新人も経験豊富な先輩、上司から多くの事を学ぶ事が出来ます。
外資系企業の日本法人では、グローバルもしくはAPACで選定したPR会社がサポートをするのが一般的です。日本もしくは海外にいる担当者と連携を取り、計画的にPR活動を進めていきます。
ただ、ベンチャー企業にとっては、社内に広報部門を設置することも、外部のPR会社に依頼することも、予算の問題もあってなかなか難しいのです。広報したいプロダクトもそれほどそろっていませんし、まだ注目されていないのでネガティブ報道への対策もそれほど必要ではなく、とにかく「こんな会社があることを知って欲しい」そんな段階です。
一時的に著名なフリーランスのPRコンサルタントにサポートをしてもらうケースも聞きます。ただ、その人の魅力で一時的に有名になるかも知れませんが、代行のみを依頼してしまうと、社内に広報のノウハウが残りません。あるPR関連サービスの幹部の方は「著名なPR担当に一時的に手伝ってもらうのは劇薬」であると言っていました。まさにその通りです。正しいタイミングでサポートしてもらえたら、大きな効果を生むことでしょう。ただ、その後の事も考えておかないといけないのです。
そこでよく聞くようになってきたのがOJT型、伴走型のPR会社です。
代行をお願いするのではなく、社内の広報担当(未経験だったり、自己流のやり方で息詰まっていたりする)をPR会社がサポートし、自力で出来るようなナレッジをトランスファーする仕組みになっています。
実はこのサービスも注意点があります。今流行のダイエット指導サービスのように、本人のモチベーションも重要ですし、会社(社長、マネジメント層)からの全面的なサポートが重要になるのです。
本人にヤル気があり、会社側のサポートがあると、その会社の広報はすごい勢いで変わり始めます。弊社も数ヶ月で大化けした広報担当の方を何度も目の当たりにしてきました。一般的に正しいやり方をお伝えして行く中で、担当者があっという間にそれを超え、躍進していくのです。
ベンチャー企業の場合、とりあえず人事兼広報や、とりあえず秘書兼広報となるケースが多いと聞きます。彼ら、彼女らには、同じ業務の事が分かる上司や先輩がいません。そこを埋められる仕組みをPR会社が提供出来たらと考えています。既に世の中で答えの出ている所で停滞して、延々とプレスリリースの書き方だけを学んでいても先に進まなくなってしまうのです。後発の同業がPR戦略のうまさで、先行していた会社より大きな知名度・信頼度を獲得し、あっという間に市場を奪ってしまうなんていう話もありますので、力を入れたい所です。
企業のステージ毎(サイズ、上場、非上場・・・)により、必要とされる広報の中身は大きく変わります。是非それに合った、広報活動をしていただけたらうれしいです。
P.S. PR会社の選定については2017年9月号の広報会議に寄稿させていただきました。もしご興味ありましたらご覧下さい。「失敗しないPR会社の選び方提案依頼のポイントと実践マニュアル」