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弊社のビジネスの話。なぜベンチャーや単発の広報のサポートを引き受けるのか。

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年末ということもあり、今年の弊社のビジネスの話を少し書いておきたいと思います。弊社は広報コンサルティングを主にテクノロジー企業に行うのがメイン業務です。いわゆるPR会社です。

私のPR会社の定義は「各クライアントごとにカスタマイズされた広報活動を一緒に考え、アドバイスしながら遂行して行く会社」です。

2012年、特に後半は「アメリカ系企業・組織」の広報・ソーシャルメディア・マーコムのサポートやコンサルティングの割合が多い年でした。

後半はあまりに依頼が集中し、自分もスタッフも残業が続き、休みも少なく、最終的には、「これ以上お請けすると、既存のお客様へのサービスクオリティが下がるし、十分な時間を割けない」ということになり、交流のある他の優れたPR会社さんにお客様をお引き受けいただくということにもなりました。

2011年はどちらかというと日本のベンチャー企業の広報の支援が多かったのですが、震災後で、外資系企業の進出が抑えられたことも関係があったかと思われます。一転して2012年は外資系企業が日本に戻って来た印象を受けました。

うちの会社の少し変わっている所はいわゆる「卒業制度」と社内で呼んでいる「単発支援制度」がある所です。基本的に多くのPR会社は「継続しておつきあいする」ことが前提です。

ただ、企業によっては「将来的には社内にナレッジを蓄積し、自力でやりたいから、短期間だけサポートしてほしい」「予算の問題があり、継続しての依頼ができない」という場合があり、そんな時に、短期間のみ支援をし「卒業」いただくサービスを用意しています。このような「スポット(単発)」のサポートをしない会社も多いのですが(手間がかかる、利益が少ないということで)、逆に、それが差別化につながっています。(将来的にもっと高度な活動をしたいと再度依頼を頂くケースも多々あります)

「卒業」されると、「一度だけの依頼」だと、PR会社としては不利ではないか?その会社の製品を覚えたり、いろいろ工数がかかるし、効果が出る前に終わってしまう。という人もいるかと思います。確かに企業規模やステージによってはそうかもしれませんし、私たちも「継続」が好ましいということは伝えています。

とはいえ、今の弊社にとっては、「一度だけの依頼」をお請けするだけの理由があります。単発での依頼だからこそ、他の継続契約のお客様の「隙間」にうまく組み込む事が出来、社内のPRコンサルのリソースもうまく配分出来ます。また「一度だけの依頼」の会社には多くの「共通の特徴」があることがわかり、また、それら企業は3つほどのパターン分けが可能で、共通部分をマニュアル化することで、工数とお客様のお支払いする料金とを減らす事が出来ました。また、マニュアルを差し上げる事で、自力でその後継続出来るベンチャー企業様も増えて来ました。

ただし、単発で依頼してくるお客様には必ず守っていただく内容が一つだけあります。それは「一度で終わらせない」「他の活動と組み合わせて、今後も継続的に行う」ということです。その後自力で継続できないと単なる打ち上げ花火になってしまい、消えていってしまうのです。(関連エントリー:せっかくの記事が「点」で終わっていませんか?新製品発表会が打ち上げ花火になっていませんか?

ニュース担当記者は今、一日に1000通ものプレスリリースをメールで受け取っていると言われています。このようなプレスリリースの増加には、安価でプレスリリースの送信が簡単に出来るワイヤーサービスの普及もあるでしょう(使い方によっては非常によいものです。私も状況に応じて利用させていただきます)。(関連エントリーはこちら:PR会社とプレスリリース配信代行サービスの選定はどうする?

記者が取材から戻ると大量のメールと、机の上のFAX。そんな中、人によっては日に数本の記事を書いています。このような状況ですと、一度発表会を実施し、半年後に何かのご案内を送っても、思い出してもらうのさえ至難の業になってしまいます。せっかく興味を持って頂いたのに「寝かせて」しまうと「タイミングを逸してしまう」のです。とはいえ、専任の広報担当が社内にいないと、つい別の業務に時間を取られて「寝かせて」しまうことも。そうなりそうな場合は外部からの「ペースメーカー」が必要で、そういったご提案もしています。

もちろん「継続」といっても、ニュース性の低いネタを記者に頻繁に送りつけるのも単なる自己満足の域を超えて逆効果になってしまいます。(関連エントリーはこちら:オオカミ少年とネタのないプレスリリースは似ているかもしれない)バランスを考えて、継続の活動をしたいものです。

少し話がそれましたが、今年のお客様の傾向としては「お客様からの紹介」「記者からの紹介」「他社での評判を聞いて」が圧倒的に多数でした。これからも皆様のご指導・ご支援・アドバイス・ご協力を頂きながら「結果の出る」「記者の気持ちを考慮した」広報周りの支援サービスを実施できるよう、努力していければと思います。

なお、今年の年末のご挨拶は省略させていただきました。(関連エントリーはこちら:年末の記者へのご挨拶はどうする?)このあたりも意見の分かれる所なのですが、ツイッターでは頻繁に挨拶に来られる方の対応に追われて仕事が進まずに苦労する記者の苦悩も吐露されており、なかなか難しいと思いました。結論の出ない問題ではありますが。弊社は他社とずらして緩くお邪魔させて頂く予定です。

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