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つたない英語でいいのか、悪いのか、容認する人、否定する人

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独立する直前(2006年6月)まで正社員として在籍していた、企業向けシステムを開発・販売するソフトウェア会社(米国ナスダック上場)では、英語が完璧ではない人が一生懸命英語を話すことを容認する環境がありました。

直属の上司はインド人、ドットでオーストラリア人の上司にもレポート。電話会議は中国人、シンガポール人、オーストラリア人。そんな状況でした。なんとか言葉にしないと、仕事にならないわけです。スケジュールを「シェジュール」と発音され、何度も聞き返したり、hence とか、オキドキ とか、変わった言葉を使う人がいたり、語尾が「ラ}で終わるシングリッシュに悩まされたりしましたが、「いろいろな英語」に触れて、だいぶ能力が上達したように感じました(このあたりの話は、月刊asciiに2006-2008年に連載していましたので、もしご興味あれば、どこかでバックナンバーをご覧ください。弊社オフィスに読みに来てくださってもOKです)。

当時社内に、一生懸命英語を話す50代後半のセールスマネジャーがいました。誰も彼のことを笑いませんし、ちゃんと通じていました。まったく英語が話せないまま、アパレル系の企業から転職してきた40代前半のコンサルタントは、だんだん話せるようになり、3年後は英語で海外の顧客前でプレゼンしていました。

そんな環境にいたので、ぼろぼろ英語でも、詰まってしまっても、とりあえず英語で話すという状況におかれた私だったのですが、独立後の仕事で、ひどくショックな出来事がありました。

それは某社CEOのインタビューを私がすることになったときに起きました。「あなたの英語はスムーズでないので、通訳をつけますから日本語でお願いします」と日本人スタッフに言われたのです。これこそがまさに、日本人の英語の上達を妨げる考えですよね。昨日のブログで書いたツイッターの話とも関連しますが、「完璧でないもの」を排除したい人というのがいるのです。

そんな体験もしましたが、その後マーケティングコンサルのクライアント先として担当したシリコンバレーの某企業の日本支社では毎週のように英語での電話会議に参加しました。来日したエグゼクティブとも1on1で打ち合わせ。もちろん英語です。誰も何もいいません。流暢でなくても、ちゃんと通じています。

でも、人によって考えは違います。英語がとても流暢なことを重視する企業もあれば、英語はコミュニケーションの道具として話せればよいという企業もあります。確かに、流暢であるほうが良いとは思います。でも、原点に返れば通じることが重要なのです。まずはそこからだと思います。

語学はもともとの素質もありますし、年齢的なものもありますし、勉強にかけられる時間も限られており、全員が流暢に話せるバイリンガルになれるものではないかもしれません。でも、「仕事の道具」として相手とコミュニケーションをする英語は、多分誰でもある程度は身につけられるように思います。まずは「通じる」を目指して、自分のできる範囲で努力していきたいものです。

そして、流暢ではない人を笑ったり、否定したり、間違いをバカにするような行為は慎みたいものです。そしてもし、誰かにバカにされても、その言葉は受け止めず、流してしまいたいものです。

以上、英語の苦手な人の言い訳っぽくなってしまいましたが、皆さまの英語にまつわる体験談などもお聞きできたらと思います。

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