合併発表のタイミングが絶妙?エンタープライズ業界再編続く
InforによるSSAの買収発表。ちらっと噂になっていたという話も聞きましたが、とても驚きました。国内での知名度だと圧倒的にSSAですよね。
ただMapics(マピックス)といえば、皆さんご存知かもしれません。あのマピックスを買収したのがInfor(インフォア)だったわけです。
それにしても発表のタイミングが絶妙かなと思いました。ERPの雄、SAPのオーランドでのビッグイベントであるサファイアの開催に合わせたように思うのですが、それは考えすぎでしょうか?
5月3日にUSで発表された、インテンシアとローソンソフトウェアの合併のちょうど後でもありますよね。
先ほど某誌記者からも電話をもらい、この件について少しお話をしましたが、ここ数年で、Aurum(オーラム。日本ではアシストが売っていたCRM)がBaanとなり、Baan(ERP)、EXE、エピファニー(CRM)がSSAとなり、マピックス(ERP)、SSA(ERP)がインフォアになり、ピープルソフト(ERP)、JDエドワーズ(ERP)、リテック、シーベル(CRM)がオラクルになり、iルネッサンス(ERP)とピボタル(CRM)がCDCソフトウェアになり、インテンシア(ERP)がローソンになり・・・ はあ、疲れた・・・
これでインフォアは、オーラム、バーン、EXE、エピファニー、マピックスを飲み込んでしまうことになります。
以前確かコンピュートピアの元編集長が書いていましたが、買収・合併には2種あるとのこと。1つは、足りないものを補う合併・買収。アジア、ヨーロッパで強く、ファッション、食品・飲料、EAM(設備保全)が強いインテンシアと、北米で人事や教育につよいローソンソフトウェアの合併はまさにこれだと思います。製品機能や地理的なオフィスは足りない部分を補い合っています。
もう1つは、単に競合の顧客ベースを得、競合を完全につぶすために、そっくりなソリューションを持っている会社を買収するというパターンです。
そういえば、ピボタルもオニックスに買われそうになりましたもんね。とにかく、後者の場合は、プロダクトラインがそのまま残る場合もあれば、製品自体がなくなってしまうような買収もあるわけです。
少し話がそれますが、ある媒体の広告営業さんがこぼしていました。合併によってクライアントさんが少なくなってしまうとのことです・・・これも、よく考えると怖い話です。
それから、JDAによる、マニュジスティクス(SCM)買収話もでてきましたね。これは、もっと話題になってもいい感じなのですが、JDAってあまり日本ではプロモーションを行っていないせいか、記事もあまり見ませんでした。ちょっと意外でした。リテール向けに更に特化したソリューションになるのでしょうね。これは2つあげたうちの前者にあたる買収になりそうですね。
#本稿は石川美保さんのオルタナティブブログ「進む企業買収とその対応」にTBさせていただきました。