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プログラミングでメシが食えるか!?

情報セキュリティ関連市場が伸び悩む中、自分たちは結構伸びていると実感!

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今日は毎年来社いただいている、経済レポートをまとめる会社の方とお話ししました。情報セキュリティ関連製品として、当社の2製品を継続して取り上げていただいています。
不正接続対策:IntraGuardian2
・DHCPサーバ:ProDHCPProDHCPv6
DHCPサーバがどうして情報セキュリティなのか、という疑問があるかもしれませんが、DHCPを利用して情報セキュリティ対策を行っている会社さんは実際にいらっしゃいます。DHCPにはフィルター機能が設定できるため、それぞれの会社さんで運用に合わせたフィルターを定義して、不許可端末にアドレスを割り当てないように運用しています。もっとも、固定IPを使うなどするとつなぐことができてしまうので、他の認証と組み合わせたりして、端末をきちんと管理している会社さんでないとDHCPによるフィルターの効果は薄いかもしれません。

さて、来社いただいた担当の方のお話しですと、景気低迷の中、情報セキュリティ関連市場も全体の景気としてはよろしくなく、各社業績が伸び悩んでいるそうです。そんな中、当社はIntraGuardianシリーズは昨年までの倍以上の出荷台数を1年でたたき出すなど、好調です。ProDHCPも、より大規模なインフラでの利用がどんどん立ち上がっており、IPv6版のProDHCPv6の実績も出てきました。実はこの2製品以外にも、メール添付ファイル管理システムの「ATGateway」が売れはじめたりしていて、当社の認知度が上がったのか、あるいはお客さんが自ら製品選定を熱心に行うようになったのかわかりませんが、実績もお問い合わせ件数もかなり増えています。

IntraGuardianシリーズ好調のポイントは、
・不正接続対策のみに特化しているため、シンプルでわかりやすく、他のシステムとの連携も容易
・価格が安い
・実績が伸び、知名度も向上してきた
・資産管理システムとの連携がどんどん増えている
・国産ハードで壊れない
という感じでしょうか。多くの製品が、オールインワンを目指して、多機能に走る中、IntraGuardianシリーズは単機能を貫き、それが評価されているということは、当社の「得意分野にこだわる」というポリシーにもマッチしており、よい傾向です。

ProDHCP、ProDHCPv6に関しては、
・大規模運用では、他の製品に比較して圧倒的に安い
・高性能
・完全自社開発のため、サポート、カスタマイズなどの対応力が高い
・大規模運用での実績が豊富
・ソフト製品のため、ハードの進化に合わせて運用できる
・ソリトンシステムズへのOEM
という感じでしょう。標準でWEB-UIも付属せず、「エンジンを提供する」ことに徹することで開発コストを抑え、その代わりエンジンとしての性能に関しては自信を持って提供するということで、こちらもまさに「得意分野に特化」している感じです。

どちらの製品も、「安い」というポイントがありますが、安いから売れるとも限りません。もちろん、安ければ導入の敷居は下がりますが、システムは満足に運用できて初めて価値があるものですから、「安かろう悪かろう」では売れません。

なぜ当社の製品が安いのか、というところなのですが、
・自分たちが好きで開発しているので、開発自体に余計なコストはそれほどかからない
・製品だけでなく、特注品の開発でも稼いでおり、相乗効果が得られるため
・自分でも使おうと思える価格にしている
・製品は自分たちの技術アピールの広告塔としても考えている
・当初は高いと売れないと思った・・・
まあ、本音は一番最後の項目かもしれませんが、IT製品事業に関して全く無名の弱小企業というポジションから製品事業を立ち上げるためには、それなりの特徴がなければならないと考えていました。その一つが「高い技術力で安くスピーディーに製品を提供できる」ということのアピールができればと考えていたのです。

もちろん、実際には少しでも利幅が大きい方が事業は楽ですし、販売店さんのマージンも載せやすくなるということはありますが、まずはある程度認知されるところまでいけなければ何の意味もなくなるだろうと、このような戦略をとったという感じです。

製品事業がここまで立ち上がるまでは、メンバー達には非常に苦労をかけてしまいました。当社は出来高性に近いルールですので、儲からなければ待遇も上がりません。製品開発販売事業は、時間をかければ結果がついてくるというものではありませんし、よいものを作れば売れるというものでもありません。自分たちの戦略が正しいのかと自問自答する時期も長く続きました。しかし、それを乗り越えられたメンバー達の力は本物でしょう。

数年前に、「このまま受託開発だけを頼りにしていたら、間違いなく厳しい状態になる」と感じ、「自分たちならではの事業を!」と考えて立ち上げたIT製品事業です。なんとか立ち上げの苦しい時期は乗り越えたのではないかな、と感じています。そろそろ、苦労が報われなければなりませんし、この先さらに発展させなければなりません。

新しいことをはじめるときには、なかなか上手く行かず、周囲の反対も大きく、自分自身でも心配になるものです。どんなことでもそうだと思いますが、たまたま1回チャレンジしてうまく行くということなど滅多にないものです。何度もチャレンジを繰り返し、その都度失敗から学び、さらにチャレンジを続けることで、ひとつ、ふたつと、成功が出てくるものだと思います。そしてまたその成功をベースにチャレンジをすることで発展できるものです。

がむしゃらにやってきて、周りを見てみたら、意外と自分たちのポジションが上がっている、ということに気がついたということで、まずは苦労をかけたメンバー達に感謝したいということと、まだまだチャレンジを続けなければと自分のケツを叩く気分で書いてみました。

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