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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

「働き方改革」と一言でいうけれども

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 最近「働き方改革」というキーワードを良く目にする。政府が政策として取り上げているからだからしかたないのだが、この以前は「ワークスタイル変革」呼ばれていたこれらの取り組みについて、もう十年以上にわたっていろいろな面で携わってきた私自身にとってはいささか違和感を感じる状況でもある。

 実際に「働き方改革に取り組みたいのですが」というような問い合わせを受けると、ちょっと抽象的過ぎて困るのだ。しばらく前の「ワークスタイル変革」と呼ばれていた時代であれば、「フリーアドレス制」や「在宅勤務(テレワークの一形態)」などを使ったホワイトカラーの生産性向上がその答えだったが、最近では「ワークライフバランス」や「ダイバーシティ」への取り組みも含めた人事・就業形態までをも含めて「働き方改革」と一言で呼ばれるからだ。かといえば、よくよく聞いてみると単なる「残業抑制」や「女性の活躍機会拡大」をやりたいだけだったりもする。

 もちろん"働き方"なんて会社によってそれぞれ違うし、もっというと人それぞれでもあるので、「働き方改革」なんて言葉が示すものも千差万別になるのも仕方ないのではあるが・・・
 なんて、愚痴ばっかり言って仕方がないので、ちょっと手を動かしてここ30年ほどの間に"働き方"関連でもてはやられてきたキーワードを年代別に表にしてみた。

働き方改革クロニカル.jpg

 なんとなくだが、同種のキーワードでも景気が悪くなると人件費抑制面が目的にされ、景気が良くなると変革や多様性のほうで取り上げられるようにも思える。あと個人レベルでの「働き方改革」としてはGTDとLifehack以降にキーワードが出てきていないことにも気づかされた。

 誤解されないように付け加えておくが、「働き方改革」が話題になりそれに取り組み企業や人が増えるのはとても良いことだと思っている。「働き方改革」の実現には、「ツール」よりはむしろ「制度」や「意識・風土」などが阻害要因になりやすいから、人々の注目が集まるのは良いことだ。

 だから今度こそ単なるキーワードによる上滑りではなく、本当に実のある改革が実現される(実現する)ことを期待している。

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