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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

ITツールの導入が進むが使いこなせない状況に

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 このところ忙しくてブログを書けてなかったが久しぶりに更新。

 忙しかったのは、あちこちからIT化の相談を受けて営業に走り回っていたからなのだが、このところ従来あまりIT化に熱心でなかった中堅企業からも引き合いを受けることが増えている。ITがコモディティ化した結果、安価で良質なサービスが増え、またデバイスもスマートフォンやタブレット端末が急速に普及したことが影響しているのだろう。

 さて、そんなところにキーマンズネットから「ITによる情報共有の取り組み状況」という調査結果が発表されていた。これによると電子メールについては9割以上の企業が導入済みで、グループウェアやイントラネットの構築も100名以上の企業では6割を超えてきているとのこと。私のところに来る引き合いの状況とまさに合致している。

 ところがアンケートの後半には、「ITツールが使いこなせない」という問題も指摘されている。おおよそ4割の企業がこう回答したそうだ。せっかく導入したITツールが宝の持ち腐れになっているケースが多々あるようだ。

 この原因のひとつとして、中小・中堅企業ではITツール導入に導入サポートやユーザ教育に気を配らない企業が多いことがあると思う。営業に回っていてお客さんと話をしていると、どうもツールを買うことばかりに意識がいっていて、入れさえすればなんとかなると思っている経営者が結構多い。中小・中堅企業ではIT予算が少ないこともあるが、導入サポートの費用を値切られることも多い。

 導入時にツールの使い方や他の企業での活用の仕方を丁寧に聞いて、それを自社向けにアレンジするという作業は、一見地味だがとても重要だ。またそれを噛み砕いて自社ユーザに説明を行うことも。いかにスマートフォンやタブレットが普及しようとも、ユーザのITリテラシーが一足飛びに向上することはない。

 弊社では導入時にサポートを断られた場合は、そのITツール自体の販売も断るようにしているが、これはせっかく入れたツールが使われずに無駄になるのを避けるためだ。そうしたお客さんが、別の商社からITツールだけを購入して結局使われず数年たったらまた別のツールの購入を検討している姿を見るたびに、IT業界における焼畑営業マンの酷さに目を覆いたくなる。
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