今日の面接。「システムコンサルタントとシステムエンジニアの違いは何?」私がよく使った質問だ。
もう5年以上前になるが、一時期毎年のように採用面接を手伝うことがあった。限られた時間で学生と話し、相手のことを知ろうというのはかなり難儀だったのだが、そのことを先輩に相談したら「いくつか質問を決めておき同じ質問を投げてその反応の差を見ると良いよ」というアドバイスをもらった。
その時に私が使った質問がこの「システムコンサルタントとシステムエンジニアの違いはなんだと思いますか?」というやつだ。当時は、なぜかコンサルタントとエンジニアを分けて採用する(エントリーシートに丸をつけさせる)風潮があってコンサルタント志望の人が私に割り当てられることが多かったこともあり、正直ちょっとイジワルも込めて考え出したものだが、実際にそれなりに機能して興味深かった記憶がある。
もちろんこの質問に正解はない。正直両者って業務内容こそ違うが、必要なスキルや知識に大きな違いがあるわけではない。学生の中には「エンジニアとして経験を積んだらコンサルタントになる」という回答をした人もいたがそういうものでもないと思う。当時は目を輝かして「企業の戦略や企画を考えるのがコンサルタントでそれを実行するのがエンジニアです」なんて回答がけっこうあって、そういう方にはお引き取り願ったものだ。
ちなみに私がこの質問をだして判断していたのは「思いがけない質問を急に投げられた時の反応ととっさに出した答えの論理性と表現力」で、その場で自分の頭で考えて「なるほどなぁ」と思わせるような話し方をした人と将来一緒に仕事したいなぁと思っていた。面接で回答内容よりは態度や話し方を重視する面接官って私だけでなくけっこういうると思う。
ただ、その時に面接した学生が入社して後日本当に一緒に仕事をすることになった時に「あの時のあの質問の答えはなんだったのですか?」と聞かれて「答えなんかないよ」と答えたところ「あの日あの質問だけに上手に答えられなくて家に帰ってからもモンモンとしたんですよ」と口を尖がらせて怒られたのにはちょっと反省している。
そして「あの質問がその後にずっと頭に残っていて今でも時々反芻します」とは彼の言葉。うん、私もいまだにシステムコンサルタントとシステムエンジニアの違いについては明確にわかってなく、時々真剣に悩んでいるよ。そうやってずっと考えることこそが大切だと思うんだ。