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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

グループウェアの満足度~ノーツの利用満足度は相変わらず低い

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 毎年恒例の日経コンピュータの顧客満足度調査の調査結果が8月16日に発表されている。各種分野でのランキングが発表されているがグループウェアの部門では、昨年に続き日本IBMのLotus Notes/Dominoが最下位だ。個別の項目の数値の傾向も昨年とほぼ一緒で「機能」以外の項目では満足度が総じて低く、継続意欲度も低い。

 同時期にITmediaのテックターゲットジャパンが出した「情報共有に関するアンケート調査」を見ても、グループウェア全体で満足していると回答した数は23.4%(スライド12)なのに対してLotus Notes/Dominoのそれは16.7%(スライド14)にとどまる。
 では、Lotus Notes/Dominoの何がダメなのか。スライド19にそのヒントがあるがLotus Notes/Dominoユーザは「運用管理コストが高い」「文書管理・文書検索機能が弱い」「モバイル対応していない」ことを課題の上位に挙げている。このうち」「文書管理・文書検索機能が弱い」という項目だけはグループウェア全体の課題と一致するが、残りの2つはLotus Notes/Domino特有のもので、このあたりにヒントがある。

Lotus Notes/Dominoユーザーの課題(「情報共有」に関する読者アンケート調査リポート TechTargetジャパン)

 ちなみに日経コンピュータのほうのトップは昨年からネオジャパンのdesknet'sがサイボウズを抑えてそのままキープ。そして今年の特徴は大塚商会のアルファオフィスがランクインしたことにあり、グループウェア分野での低価格化競争が進んでいることを示している。実際に大塚商会の有効回答数は昨年の30件から53件に増えているて、、ネオジャパン142件(第14回)->156件(第15回)->120件(今回)、サイボウズ303件(第14回)->329件(第15回)->284件(今回)という傾向からみても低価格層の顧客を食い取っていることが推測される。グーグルのGoogleAppsは今回も回答数36件でランキング外だったが昨年の21件から比較すると7割増ということで来年にはランキングに入ってきそうだ。

 ただしテックターゲットジャパンのスライド19を逆読みするとLotus Notes/Dominoの場合「ワークフロー機能が弱い」という項目の数値は低く、大規模ユーザーおよび使い込んでいるユーザーが多いことがわかる。グループウェアユーザは数年前から単機能で低価格を求める中堅企業層と高機能・高信頼を求める大企業層の2極に分かれており、低価格志向の層がGoogle Appsなどを志向しているのに対して、大企業層は若干迷走気味だった。
 今年の日経コンピュータの調査で大企業においてLotus Notes/Dominoの有力な受け皿であるマイクロソフトのExchangeも164件(第14回)->193件(第15回)->169件(今回)と数を落としたのはちょっと気になるところで、大企業層もクラウド型へすり寄るという前兆のようにも見える。

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