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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

疑似同期サービスの将来性~ゲームなどの内部進行時間にコミュニケーションを同期させる

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 夏休み中に膨大なメールログとニュースを処理していてふと目にとまったのがこのニュース。
 
 イッたシーンを共有できる? Twitterがついにエロゲに進出
 
 「AngelRing」という作品ではTwitter機能追加パッチによって、ゲーム画面内にTwitterボタンが追加されて他のプレイヤーがその場面でつぶやいた内容が表示される仕組みできたそうだ。ニュースの元ネタがエロゲなのでちょっとひいたのだけど、ゲーム内の時間進行に合わせてネットで疑似同期コミュニケーションができるシステムの登場にちょっと目を見張った。
 公式サイトのマニュアルページによるとつぶやき時には、「何についてつぶやくのか」と「つぶやきの内容」を選択出来るようになっていて、他のプレイヤーのつぶやきを見るときも「シーンへのつぶやき」「CGへのつぶやき」「音楽へのつぶやき」「質問」といったように種類別に分けて表示されるようだ。
 
 濱野さんがネット上のコミュニケーションについて、チャットやIM等の「真性同期型」、Twitterの「選択同期型」、ニコニコ動画の「疑似同期型」に分類して、客観的には非同期的なコミュニケーションを主観的には同期的なそれに変換するツールとネット文化との相性の良さを論じてから既に3年あまりが経っているが、疑似同期型サービスがそろそろまた次の一歩を踏み出しそうな予兆を感じる。
 
 エロゲはともかくキャラクターが成長しながらストーリーが進むRPGやAVGなどをプレイしているときに、同じ状況にある他のキャラクターとネット越しにコラボレーション出来たら楽しそうだ。パズルゲームやアクションゲームでだって同じ問題やレベルで躓いている同士でコミュニケーションしたら新しい刺激が得られそうだ。
 プレイヤー同士のコミュニケーション以外でも開発者へのフィードバックという面でも疑似同期性の導入は効果があるのではないか。先ほどのシーンやCGへのつぶやきはゲームへの感想やバグ情報の収集にも使えるはずだ。メールやフォームでユーザの声を集めることなくTwitterのハッシュタグを検索するだけで、フィードバック情報が得られるのはコストや手間の削減になるのではないか。
 
 ゲームだけではない。今後例えばスポーツの世界でなにかこういった疑似同期性のツールが取り入れられたら凄いことになりそうだ。水泳や柔道で例えば3級とか同じ習熟度段階にいる(いた)人のコミュニケーション、ゴルフで同じスコア(だった人)のつぶやきが後でみれるというのはどうだ。もしかしたら北島選手のタイムが伸びなかったころの悩みのつぶやきや石川選手がフォーム改造練習に取り組んでいるときの実況がでてくるかもしれない。
 スポーツ以外の趣味の世界でもそうだ。趣味の世界ではだんだんとレベルが上がってその都度見えてくるものとか興味の方向が変わっていく。従来の掲示板といった初心者もベテランもエキスパートもプロも混在する中でのコミュニケーションというのはそれはそれで魅力的だが、その中でエキスパートやプロの過去の歴史が疑似同期的に見えたらこれは面白い。
 
 これから世の中のいろいろなモノや事柄の進行時間や進行段階に合わせて疑似同期コミュニケーションが行えるようなサービスがどんどん出てくるのではないか。そしてそこからまたTwitterやニコニコ動画のような大ヒットサービスが生まれるような気がしてならない。

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