情報をアートする~国産のグラフ共有サイトvizooがオープン
前々から予告されていたフィルモア・アドバイザリーの提供するデータ版YouTubeともいえるサービスvizooのベータ版が本日オープンした。
vizooはネット上で各種データを簡単にグラフ化できるサービスで、サイトのトップには情報をアートするという謳い文句もあるように、一般的には難しそうと思われている財務データや経済指標もグラフでビジュアルに見せる事でそれまでに気づかなかった見方や切り口の発見を促し、さらにそのグラフを皆で共有することで他の人の知見を獲得することを目指すものだ。
グラフを作って何に活用するかという事については、既にフィルモア・アドバイザリーのメンバーがvizooを使ったグラフを日々発信していく場としてvizlogというブログが始っているので、そちらを見て参考にすると良い。
ちなみにデータ版YouTubeというふれこみは先に欧米で先行したソーシャルグラフサービスのSwivelやMany Eyesの紹介の際にも使われて日経ITproでも記事になっている。参考:『【Web 2.0 Expo】OECDも注目する「データ版YouTube」,その名は「Swivel」 』
vizooがこれらのソーシャルグラフサービスと違うのは、グラフを作るためのデータセットは全て運営側が用意していてユーザが登録することは出来ない事。運営者側が政府の公式統計や株式の情報をきちんと対価を払って購入しユーザが自由に利用できるようにしてくれている。データセットの利用については当然グラフ化やブログでの再利用できるように利用許諾も得ているという事なので、ユーザ登録するだけで自由に直ぐに活用できるようになる。
さすがシーネットネットワークスジャパンのTech Venture 2009で準グランプリを受賞したサービスだけの事はある。
vizooではグラフウィザードを使って各種データを自由に可視化できるが、この操作感もSwivelやMany Eyesよりも格段に優れている。対象データを加えたり除いたり2つの別なグラフを重ねたりといった作業がさくさくと出来て気持ちよい。作ったグラフは保存して公開・共有できるが、その際にはデータセットの変更にあわせて随時更新される「切り口(自動更新)」という保存形式とその時点でのデータの値を固定して保存する「グラフ(最新)」の保存が選択可能だ。但しグラフの公開範囲は、全員のみしか選択できずグループ機能などは実装されていない。
現在はまだベータ版という事で利用できるデータセットも少ないし、無償ユーザの場合データのダウンロードなど一部の機能は制限されるそうだが、将来は企業のHPで公開されるIR情報などから必要に応じてデータを運営側が吸い出して登録することなどを考えているそうでそうなると活用の幅はぐっと広がる。作成できるグラフ形式も現在の棒グラフと折れ線グラフと円グラフ以外にバブルチャートだとかマップ形式とか増やす予定と聞いているので今後を楽しみにしたいサービスだ。