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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

画一的な対応でなければ、シンクライアントはユーザにもメリットが大きいのではないか?

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 会社で使っているPCが古くなったと言うことで、自動的に新しいPCがシステム部門から送られてきた。最低限の設定などはシステム部門のほうで予めやった上で支給されてきたのだが、それでもいくつかのソフトウエアの再インストールや設定作業は必要で、イントラネットの掲示板に掲載されている手順書を見ながら作業を行った。
 設定作業が完了したら、WindowsUPDATEをかけてウイルスチェックも行い、最後にインストールしたソフトウェアの情報収集用にインベントリ収集プログラムを流して完了だ。この間約半日。特にOSやブラウザへのパッチあての作業では何度もPCの再起動を求められてとても面倒だった。

 弊社では業務用のPCは全て会社支給である。逆に言うと個人用のPCは会社のLANに接続することはおろか基本的には執務室に持ち込めないルールだ。支給されたPCはFDDやUSBポートなどを塞がれデータ持ち出しは出来なくなっているし、業務用のファイルは全て集約されたファイルサーバにセーブすることになっている。認められていないソフトウェアのインストールも禁止である。まあ昨今の情勢からいってこれらは別に弊社だけでなく、世の中一般の多くの企業で取られている対策であろう。

 先般、オルタナティブ・ブログでシンクライアントの話題が盛り上がった(発端はこれ、そして加藤さんの名エントリーが、これこれ)がちょうど上記のPC更改の折だったので自分の環境にもあわせて考えてみたのだが、ユーザの立場から見てシンクライアント端末は結構アリだと思うのだ。実際に今回のような更改作業の時だけでなく、我々ユーザは定期的にOSのパッチ宛作業とその完了報告を強いられる。また毎日定時にはウイルスチェックが自動的に作動してPCのパフォーマンスが低下する。
 そもそも私だって通常の業務の中で使うソフトウェアと言えば、WordやEXCELなどのオフィス系ソフトとグループウェア、そしてブラウザとあとはほんのいくつかの業務処理用のシステムだけだ。別にこれだけ動かすなら支給されるのはPCでなくシンクライアント端末で十分だと思えてくる。
 PCで自由に何でもできたほうが良いというのは聞こえは良いが、それほど自由にいろんな事をする必要があるユーザは多数ではない。営業所のユーザは商品を売ったり伝票を処理することが仕事であってPCを使うこと自体が目的ではないし、工場のユーザだってモノを作ることが仕事でPCはその為の道具だ。そうした人たちに、なんでも出来るからと言って余計な管理作業が必要なPCを配布することのほうがシステム部門の勝手な都合では無いだろうか。また自由には責任が伴うものだが、PCの管理を怠ったり誤ったりして事故を起こし懲罰を受けるくらいなら、最初から事故の起こりにくいシンクライアント端末のほうが良いというユーザは結構な割合になるとも思うのだ。

 シンクライアントの事例だと私もCTCがSun Rayを導入した事例を見たことがある。先ほど挙げたような余計な管理作業が無くなるだけでなく、カードを差し込むだけで会社のどこからでもデスクトップ画面が瞬時に呼び出せる場面を見たときは、素直に「これは良いなぁ」と思った。

 ただ、そうはいってもPCで無いと仕事が出来ない人も場面も残る事は認める。かくいう私も本社から支給されるPC以外に作業用にPCをもう1台部署購入という形式で持っている。こちらのPCはその時々のお客さんの環境にあわせていろんなソフトウェアを試したりツールを入れたりしている。このPCまでシンクライアントにされたら商売あがったりである。聞くところによるとCTCでも、営業部隊は全てシンクライアントだが開発部隊にはPCが残っているという。要は画一的でなく、ヘビーユーザ向けにPCの余地を残しておけば良いだけではないか。ヘビーユーザがその分PCの管理に余計な手間を取られるのは、まあある程度は諦めて貰えるように思う。

#あと、ちょっと詳しくないのでどなたかご存じあれば教えて欲しいのだが、PCをシンクライアント端末へ切り替えてその分サーバ側の資源を手厚くすることは、地球環境的にはどうなのだろうか。シンクライアント端末分の削減効果があるのか、逆にサーバ側への負担増で環境面ではマイナスなのか。そういう面での分析や調査の結果があれば是非教えていただきたい。

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