新しい読み方のスタイル「比較読み」を支援するインターフェースは
大手新聞社3社の提供する「新's あらたにす」は有名ブロガー達には不評のようだが、私が最初に見たときの感想は「ちょっと面白いかも」というものであった。
というのも以前東京IT新聞に掲載された記事によると、新聞の読み方には「順読み(Methodical)」「拾い読み(scaner)」という2つのスタイルがあり、人はこの2つの読み方をケースバイケースで使い分けているそうだ。 そして、紙媒体を読むときには多数の人(75%)が「順読み」スタイルを取るのに対して、オンライン媒体を読むときには「順読み」と「拾い読み」が半分半分になるらしい(米国のPoynterの調査結果)
Poynterのサイトに掲載されている他の調査結果によると、オンラインでは「拾い読み(scaner)」「順読み(Methodical)」どちらのスタイルでも結果として読む文字の量はあまり変わらないし、オンライン媒体の読者のほうが紙媒体の読者よりも記事の熟読度が高いという結果も載っている。オンライン読者のそれは63%なのに対して、一般紙の読者で40%タブロイド誌では36%で、記事を最後まで読む割合もオンライン77%一般紙62%タブロイド57%だとされていた。
で、話を最初に戻すが私が「新's あらたにす」を面白いと思ったのは、この「順読み」と「拾い読み」の以外の読み方として「比較読み」を提唱したことにある。先ほどあげた熟読度の数字が示すようにオンライン読者のほうがあるテーマの情報について深く知りたいというニーズが強いのだとすれば、「新's あらたにす」の同じテーマの記事を3誌並列で表示するというインターフェースはこのニーズを満たすものではないか、と思ったのだ。
ただ残念ながら、私も含めて今の多くのネットユーザの「比較読み」したいテーマは、大手新聞社の一般紙に登場するようなテーマでは無いような気がする。ネットのユーザ層は、より若くかなりテクノロジーやポップカルチャーに偏っている。だから「新's あらたにす」上で「比較読み」するシーンは少なくなってしまう。
これが例えば、IT系のメディアサイトの「比較読み」だったらもっと使い出があってアクセスを集めるかもしれない。と思って先日のJASRACのシンポジウムの内容を伝えた記事を並べて表示してみた。残念ながら元の記事をフレームで切って並べただけなのでこれだけだと「比較読み」しずらいが、サービス側で文章の折り返しなどを一度整形して表示してくれれば結構使えるかも、と思った。
製品のレビュー記事の「比較読み」など、この先結構適用範囲は広そうだ。