「ミクる」は伝説になるのか
現時点では「ミクる」は「mixiする」の意味と言う説が有力のようだが、来年あたりには「VOCALOIDで演奏する」とか「ネットに自作曲を公開する」意味に変化するだろうとは思っていた。
でもこのところの騒ぎを見ていて「ミクで作った曲がヒットして伝説のヒトになる」とか「公開した曲にCCを採用し2次利用等の発展に寄与して伝説になる」なんて意味までにも転じるかもしれないなぁと思ったりもしている。←さすがにこれは言い過ぎか・・
インターネットの普及による影響の一つに、言葉の変化の加速化があるのではないかと思っている。一部で流行った新語や言い回しが世の中に普及するまで、昔だと口づてでかなりの時間を要して、その大半が途中で雲散してしまっていたのが、インターネットのような瞬間的に大勢に言葉を届ける仕組みが出来たことで、面白い新語は直ぐに皆に広がって使いまわされ、そして直ぐに廃れていく。ネットによってこのサイクルが凄く加速化されていると思う。
「明鏡国語辞典」を発行する大修館書店主催の中高生による国語辞典に載せたい言葉や意味、例文のコンテスト「第2回『もっと明鏡』大賞 みんなで作ろう国語辞典!」の結果が先週に発表されている。
このコンテストの第1回は2005年から2006年に行われ、その結果として出版された本も結構売れているようだ。私も1冊購入して手元に置いているがコンテストの結果だけでなく、ところどころに織り込まれている北原先生の解説がとても面白いしタメになるので重宝している。
ちなみに私が新語のなかで興味を持っているのは、冒頭にあげたような「~る」という動詞を作る系統の語で、これについては、本の中で北原先生がこう解説をされている。{以下「みんなで国語辞典」56ページの【与謝野る】の解説から引用}
「る」をつけて動詞を作る例は以前からあり、(中略)これらの語に共通するのは語幹が短い、あるいは語幹を短縮しているということです。ただこの語の場合、もっと大切なことは中学生に「与謝野晶子」=「みだれ髪」という共有認識があることです。
なるほど多数の共通認識の存在がポイントかぁ。こんなことからも、名詞とかフレーズの新語より動詞の新語のほうがより世相感というかブームを反映すると私は勝手に思っているので「~る」に注目している。
大修館書店主催のコンテストで今年入賞した「~る」言葉は、最優秀の「うろわかる」以下優秀賞に「役所る」「固まる」「ハモる」「捨てる」「キてる」「アベる」「デコる」「盛る」「しらける」「ポシャる」「チョべる」「テンパる」「とかじる」「シケる」「ネチる」「イモる」「キャべる」「なめる」「ぐだる」「サビる」「みつをる」「合格る(うかる)」「拒否る」「写メる」「受ける」と全部で25個もの「~る」がある。正直この25個のうち私には、全然意味の想像のつかないものがいくつかある。皆良く思いつくモノだと感心している。
ちなみにネット流行語大賞のほうでの「~る」言葉は、「1:アサヒる」「18:オザワる」「24:アベする」の3つだけだった模様。
さて冒頭の「ミクる」は私の勝手な妄想だが、それ以外にも何か2008年に話題になりそうな「~る」があれば、是非コメントやはてブで教えて頂けると嬉しい。