オルタナティブ・ブログ > ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 >

エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

サーチ分野での欧米企業と日本企業の提携は期待できる

»

 先週ノルウェーにに本拠を置くファスト サーチ&トランスファとNTTデータとの提携のニュースが流れた。{参考:「“話題”や“感性”で企業内検索――「なずき サーチ」共同開発」

 今のところ「なずきサーチ」との連携効果を実現したプロダクツがいつ出るかまでは伝えられていないが、これはちょっと期待出来る提携話だと思った。
 以前に書いたかもしれないが、正直こうしたサーチエンジン(とくにエンタープライズサーチ)やVivisimoのような分類エンジン(クラスタリングエンジン)の分野では使用する言語への依存が強いので、欧米製の製品は日本製のものにかなわないと思っている。これは、MSのIMEがジャストのATOKに実際の操作感や変換性能の面でなかなか勝てないことなどをみても、そんなに外した意見ではないと思う。

 ちなみにこの分野での欧米製品の欠点のもう一つは、日本拠点での技術者育成と日本での製品カスタマイズ作業が出来ないことにある。特にエンタープライズサーチになると他のシステムとの細かい連携なども必要でどうしてもカスタマイズが発生してしまう。ところが欧米製品の場合、日本には問い合わせの受け口となる技術者すら居なかったり、カスタマイズとなるといちいち本国にお伺いを立てたりということが起きて、融通が利かなかったり余計な時間かかる事が多くてこれはSI等の場合致命的になることすらある。

 ファストが今回の提携でこのの一つめの日本語処理技術の取得とそれの製品への反映という部分を解決するのだとすると期待が高まる。ファストやオラクルのような欧米企業が日本のエンタープライズサーチ市場で伸びるためには、もう一つの技術者とカスタマイズ問題も解決しないと難しいと予測しているが、少なくとも一歩前進ではある。

 ただ、逆にちょっと気になるのはこのところのファスト サーチ&トランスファの積極的過ぎる活動である。今回の提携やらプレスリリースの他イベントや記事など、このところかなり積極的に動いているようだが、実はこうしたナレッジマネジメント系市場って成果が出るのにかなりタイムラグがあることも特徴だ。特に外資系なのであまりに一時期にエネルギーをかけ過ぎて思うほどの成果が得られず突然急降下するようなことにならないか心配している。こうなると逆効果である。その昔検索エンジン市場では一度同じ過ちが起きてしまっているし。

Comment(0)