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連想検索やらWikiによる用語集作成やら~NIIのオープンハウスにて

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 昨日の夕方は、ちょっと仕事を抜け出して「国立情報学研究所オープンハウス2007」へ行ってきた。正直に言うと、この国立情報学研究所(NII)という機関の存在は、先日の「Yahoo!知恵袋のQ&Aを学術利用 NII」というニュースを読んで関連エントリーを書くまでまったく知らなかったのだが、国立情報学研究所は一ツ橋にある(うちの会社から徒歩5分のところ)ということで夕食を食べに出たついでに寄ってみた。

 オープンハウスに展示されていた研究成果は多岐にわたり私の興味をそそるものも多数あった。まず、先日このブログでも紹介した『Web 2.0に向けた新たな情報技術の研究をバックアップ 「Yahoo!知恵袋」の研究利用による情報アクセスの新展開』という展示。残念ながら担当者は他の人と話しこんでいてご挨拶が出来なかったが、こういうネットコミュニティの効果を定量的に測っていこうという試みは是非今後も増えていって欲しい。

 他には連想検索を使った『本と電子情報空間を「連想」でつなぐ図書館リファレンス』という展示も面白かった。デモブースにある単行本を専用の読み取り台に載せるとその本と似たような本を蔵書から探して表示してくれるという技術は、その本の中に出てくる単語の頻出度合いを計算して同じような単語が出てくる本と探すというベクトル空間モデルを使った検索技術だと思うが、同じように今のアマゾンなどで採用されている「その本を買った人はこの本も買っています」というユーザの動きに注目した協調フィルタリングと比較してどっちが効果があるのか興味をそそられた。まあこのあたり、どっちが優れているかというわけではなく検索対象や検索時のニーズによる使い分けの問題かも知れないが、なんにしろPageRank一辺倒だった検索結果の評価部分にはこのところ新しいものがどんどん出て来ていてワクワクする。

 あとオープンハウスで注目したのは『用語集の作成と公開に無料ツール「dictionpedia」を活用してみよう』という展示。残念ながら出展者の方がいらっしゃらなくて話が聞けなかったが、このプロジェクトの支援サイトである「Dictionpedia」によると、Wikiを使って用語集を構築する作業をより簡単かつ効果的にする試みのようだ。サイトからはExcelのような画面で用語辞書データを編集するツールやそれをWikiにアップロードするツールなどが提供されている。最近は社内Wikiの導入なんかも企業によっては進んでおりこのあたりのツールの必要性は高そうに思う。

 「国立情報学研究所オープンハウス2007」は、今日(2007/6/8)の17時まで開催している。上記に紹介したもの以外にも面白そうなものが沢山展示してあるので興味のある人がいれば、今日行ってみてはいかが。

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