意思決定のITによる支援について
各種の調査で企業経営者が優先的に解決すべき経営課題として毎回結構上位にランクインするのが「意思決定の迅速化や効率化」というテーマだ。以前にちょっとこの「意思決定の迅速化」について考える機会があったのだが、この「意思決定」という言葉も「ナレッジ」と同じほどに曖昧で考えていくと結構奥が深い。
意思決定についてはサイモンやアンゾフの分類が有名だ。ただ私の商売上だと、意思決定をITで何とか良くすることが最終目的になるのでこれらの分類そのままではちょっと仕事にならない。そこで意思決定をする際の思考の流れに注目して以下のように非常に簡略化したモデルを考えてみた。
意思決定プロセスにおける選択肢の数の変化を時系列的に並べたこの図は、人が何かを決めるとときにはとりあえず決める対象の選択肢を洗い出して羅列してそれを評価して最後にそれを絞り込むことで意思決定がされると想定したものだ。
で本業のITでこれを支援するとなるとまずは2パターン。選択肢を洗い出す部分を早く・易くする方法と、選択肢を絞り込む部分を早く・易くする方法があると考えたのだ。こう分けて考えると、前半は“さがす”プロセスだと置き換えられそうだ。そう、例えば最近私が手がけているエンタープライズ・サーチなども意思決定を迅速化させるためのツールのひとつになるのだ。
エンタープライズ・サーチは今結構注目されていて、引き合いの多いテーマなのだが、やはり他の情報系システムと同じでROIが説明しにくい。そんな中で私がが最近これを売り込むときの宣伝文句のひとつが「エンタープライズ・サーチがあれば経営資料作成時の調査や裏づけ資料の収集が早くなって、その結果経営スピードが上がりますよ」という説明である。
さてでは逆に選択肢を絞り込む部分を早く・易くするツールは何か?モデルを見ればわかるように前半部分だけの改善では不十分で後半の改善も行わないとそもそもの「意思決定の迅速化や効率化」は実現できない。だから最近選択肢を絞り込む部分を早く・易くするツールのことをよく考える。真っ先に考え付いたのはシミュレーションソフト。仮に選択した結果をわかりやすくシミュレーションすれば確かに選択は早くなっていくだろう。
他には何があるのだろうか?日々考えているが今のところ素晴らしい閃きには遭遇しない。もし何か良いアイデアを持っている人がいたら是非情報交換させていただきたい。