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[定点観測]実名ブログ界の動向 2007年4月版

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 恒例のITmediaのオルタナティブ・ブログとイザ!(iZa)記者ブログと専門家ブログの3つの実名ブログでの2007年4月の投稿状況の分析結果である。

 まずブログ全体の動きであるが、オルタナティブ・ブログでは7名が新規に加入、iZa!記者ブログのほうは昨年9月以来の大幅な入れ替えが行われたようで16名のブロガーが新規に加入し9名のブログが休止になっているほか、昨年9月に一旦中止になっていた記者1名が復活を遂げて合計が82名になった。専門家ブログは変化無しである。
 なお、記者ブログの新規加入者のうち数名は4~5ヶ月前より非公開でブログを書いていたようで、まさにウォーミングアップ充分の状態での参入である。さらにこのウォーミングアップしてきた2名の記者は月間50通以上という大量投稿を行っている。これにより4月の記者ブログでは月間50回以上投稿をするという強者が合計4名となり全体の投稿数を押し上げている。記者という人種には、非常にマメにブログを書きたがる人が一定割合含まれていると言うことだろうか?今後も継続的にウォッチしてみたい。
 
2007_4blog  さて気になる数値データのほうであるが、この定点観測では、毎月月に1回以上投稿するブロガーをアクティブ・ブロガーとカウントして、ブロガー全体数に対する比率を継続率としている。詳しくは表を見ていただきたいが、オルタナティブ・ブログの継続率は57.5%->59.0%、記者ブログが66.2%->78.0%、専門家ブログは88.6%->80.0%となった。
 オルタナティブ・ブログではここ3ヶ月ほど続いたブログの継続率が今月は下げ止まるかたちになったが、これは4月の新規加入が7名と多いためで、これを差し引くと依然継続率の低下傾向は続いているといって良いと思われる。開始後3~4ヶ月が経過している専門家ブログも継続率の低下傾向が出ており、こちらは以前から何度か指摘してきたように、ブロガーの飽きは3ヶ月周期で訪れるという現象に揉まれている印象である。
 
 記者ブログのほうはメンバーの入れ替えがあったので継続率は見た目上昇しているが、実際にはこれ以外に14名の休止中のブロガーが隠れており、これを加味すると継続率はオルタナティブ・ブログなどのそれとあまり変わりがない。
 これは投稿数のほうを見ても同じような傾向であり、例えばオルタナティブ・ブログにおける4月の全投稿の合計をアクティブ・ブロガー以外も含む全ブロガーの数で割ったブロガー数合計ベースでの平均投稿数は、5.78/月である。専門家ブログは6.40/月、記者ブログは見た目こそ8.11/月であるが、休止中の14名を加味すると6.93/月となる。これらの数字はいずれも一時期よりは小さくなっている。ここから実名ブログ全体が数の面では伸び悩みという傾向が見て取れるのではないか。つい先日メディア・パブの「ブログの成長に陰り,踊り場説が浮上」という記事で世界的なブログのそういう傾向を説明していたが、私の手元にある実名ブログのデータもそれになんとなく合致する。

 継続率の低下と投稿数の頭打ちというのはブログブームの落ち着きを示しているのか。先月も書いたがなんとなく私の直感的な予想としては、今後は全ブログともに頻繁にエントリーを投稿するブロガーと月に1~2通の投稿をしたかと思うとその後しばらく更新をしなくなるようなブロガーへの2極化が進むような気がしている。

 最近ブログ界全般でも「すでにブログ界のなかで集中的なアクセスを集めるようなブログはアルファブロガーによって占有され、いまからブログを書くような新規参入組がアルファブロガーになるのは難しい」といった論調が時々見られる。こうした寡占化(?)イメージもこういった実名ブログでの動きに影響しているかもしれない。2極化がそのまま格差の時代へ繋がるのかどうかは私にはわからないが・・・

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