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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

パーソナライズに関しての分析

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 ポータルシリーズが続いてきたが一応これで最終回である。勢いに任せて企業情報ポータルの技術的解説を書き続けてきたが、こういう真面目な話題だとアクセス数が伸びないので結構萎えたりもする。

 さて昨日のポートレット&widgetの類型に続いてパーソナライズの類型であるが、実のところこのパーソナライズの分類は現時点で完成したものではない。というか一応分類方法はあって使っているのだが、いつも結局たいしたパーソナライズが実装できないので、いまのところ論としては成り立っているが実はちょっと空虚である。このあたり前5回ほどの他のポータルシリーズとは若干様相が異なることをあらかじめ宣言した上で始めたい。
 
 パーソナライズの分類・分析には、まずパーソナライズする主体がユーザ側なのか情報提供側なのかという分類がある。私はユーザ側で自由にカスタマイズできることが本当のパーソナライズだと思っているが、情報提供側でユーザごとの提供する情報を細かく切り替えることもパーソナライズと呼ばれる。実際に過去の文献では、Amazonにおいて表示コンテンツを個人ごとの切り替える機能をパーソナライズの例示として紹介しその実現方法を分類している。この情報提供側からのパーソナライズについては書籍「インターネットマーケティングの原理と戦略」の第7章に記述があるので参考にすると良い。

Personalize さて企業情報ポータルにおけるユーザ側からのパーソナライズに絞った場合、次の分類観点は、パーソナライズする対象物である。これはデザイン、コンテンツ、レイアウトの3種類に分けられる。デザインパーソナライズは、画面の背景色やロゴなどをユーザ単位に設定変更できるようにするもので、コンテンツパーソナライズは表示するコンテンツの内容をユーザ毎に切り替えるもの、そして最後のレイアウトパーソナライズはユーザが企業情報ポータル上のコンテンツの選択と配置を自由に変更できるようにすることを示す。
 このうちデザインパーソナライズは、比較的簡単に実装できる。良くあるスキンの変更といった機能を実装すればよいのだ。
 次のコンテンツパーソナライズの場合レイアウトはユーザに変更させないのでページ上には全ユーザに同じ内容のポートレットが配置される。但し各ポートレット内に表示するコンテンツ内容はユーザ単位に切り替えたり選択できるようにするのである。例としてはニュースポートレットにおいて、ユーザ各自が自分の興味のあるカテゴリやキーワードを設定するとそれに関するものだけを抽出して表示するとようなものになる。
 レイアウトパーソナライズでは、ユーザがページ内に表示するコンテンツを自由に選択できるようにする。ニュースポートレットが要らない人はこれを外して変わりに社内フォーラムポートレットを配置できるようにする。具体例としては「My Yahoo!」でのコンテンツの選択や「Google パーソナライズド ホームページ」でのコンテンツの追加をイメージすればわかりやすいと思う。

 ただしかし、こうしてパーソナライズをいくら分類しても、きめ細かいを実装することが現時点ではかなり困難だ。だからいくら分類してもその先がないので不毛さを感じることも多い。
 こんなのでは「分類できるだけじゃ、駄目なんだよ。EIPの場合はね」なんて窘められそうだ。

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