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来年のキーワードになるか"アイデンティティマネジメント"

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 オラクルがシングルサインオンスイート製品を出荷したというニュースが流れていた。シングルサインオン製品のスイートというのはちょっと聞き慣れなくてイメージがわきにくかったのだが、どうやらOracle Identity Managementのコンポーネントという位置づけのようだ。
 相変わらずオラクルの出す新しい製品は魅力的な新しいマーケットを良くついてくると思う。

 実際にここ数年企業の情報システム担当者から、相次ぐ組織変更や頻繁に行われる人事異動にシステム部門での作業が追いつかないという悲鳴をよく聞く。セキュリティ意識の高まりや内部統制の強化によって以前と違ってほとんどのシステムがユーザを個別に識別して個別に管理をするようになったが、このユーザディレクトリの管理やIDとパスワードの管理、そして所属組織や役職に合わせた認証・認可の部分が相当に複雑化してしまっている。
 私が現在担当しているナレッジマネジメントの分野では、グループウェアや企業情報ポータル製品を扱うことが多いが、これらの製品は全社的に導入されなおかつユーザごとに制御を細かく行う必要があるので必然的にこうしたディレクトリ管理系のシステムとの連携を行う。ところがこの連携部分の開発に非常にコストがかかるのだ。経験的に言って平均で全体の2割、多いときには半分がこの認証系との連携コストである。
 シングルサインオン製品、ディレクトリ統合製品、認証認可製品などを全て集めたひとつの基盤ができればどんなに便利だろう。そう思って検索をしていたら同僚の書いていた「EAにより重要性が一層高まるエンタープライズ・アイデンティティ・マネジメント」というコラムにあたった。どうやら最近官公庁や大企業で取り組まれているEAの分野からも注目されているらしい。冒頭に書いた情報システム担当者のTCO面での悩みも私たちが直面している新規システムの導入コストの面も全部まとめて解決してくれるそんな基盤を構築できる製品が是非出てきて欲しい。

 情報系システムの2006年のキーワードはイントラブログとエンタープライズサーチであった。「アイデンティティマネジメント」は今年は不発に終わったが、2007年のキーワード候補としてはおさえておきたい。

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