新聞・書籍・雑誌を読む人が減っているそうだ
先週イザ!に「ネット拡大、新聞は生き残れるか」という記事が掲載されていた。米国新聞業界は苦境に立っているそうである。時を同じくして日本では「47NEWS」という地方紙の連携サイトという新しい試みも始った。
確かにネットの普及に伴い新聞を読む人が減っているという話は良く聞く。11月にガートナー・ジャパンが発表した調査によると、日本のビジネスマンの情報源のトップとしてはついに検索エンジンが新聞・書籍・雑誌類を抜いて第1位になったそうである。
個人的には、いくらネットが普及したといってもまだまだ新聞や雑誌などの紙媒体による一覧性を持った情報掲示にはメリットが多いと思っている。確かに忙しいときのRSSリーダーやポータルのニュースページはとても便利だ。私も一時期ネットがあれば新聞は要らないと思ったこともあるがその後考え直した。ネットばかりでニュースを見ていると入手する情報が偏ってしまうことを自覚したからだ。
新聞を始めとした紙媒体には自分の興味の無い分野の記事も掲載されている。紙をめくっているとこれらが眼に入る。この効果が無視できないと思う。自分の専門分野でない政治・国際ニュースや社会ニュースでも、なんの気なしに眼に飛び込んだものはついつい読んでしまう。これがイザというときの視野や発想を広げる助けになっていると思うのだ。このことに気がついてからは、逆に休日などに新聞の日頃読まない面まで一通り舐めるということをあえてやるようになった。このときにネットワークでのキーワードによるクリッピングサービスで漏らした大事な記事を発見することも案外多い。登録したキーワードを更に細分化したワードや同一分野でも新キーワードを使って書かれた記事は検索エンジンやRSSリーダーをすり抜ける。
だから私はITコンサルタントを目指している後輩には新聞を読むことを薦めている。専門性を持ったスペシャリストへの成長の過程でも、ある程度への横への広がりは必要だと思うしそれが専門領域の深堀に必ずつながると思うのだ。
最後に蛇足だがもうひとつだけ紙媒体をないがしろにしないほうが良い理由を挙げておく。検索エンジンによるネットでの情報の入手はかなり手軽にできる。逆に手軽であるからこそそれを使って手に入る情報は、素人や自分の顧客にも簡単に入手できる情報だと推測できる。だから顧客先への付加価値を提供したり競合先との差別化のためには、入手にコスト(手間)のかかる情報源(紙以外のものも含め)も確保し、それらを合わせて吟味を行っていく必要があるのは言うまでもない。