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グリーが13億円で買収した定額リフォームEC「リノコ」の純損失は2.6億円:1分で読める注目の非上場企業の決算まとめ

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セカイエ.pngグリーが13億円で買収した、定額リフォームEC「リノコ」を運営するセカイエ株式会社の純損失が2.6億円&利益剰余金は△5.7億円、2015年10月23日の決算速報です。

第3期決算公告 10月21日官報52頁より

 当期純損失

△264,608千円(2015年6月30日現在)

 利益剰余金

△574,147千円(2015年6月30日現在)

企業情報

 企業概要

2012年12月に設立。主要事業である、オンライン定額リフォームサービス「リノコ」は、ネットを通じて定額リフォームを依頼できるサイトで、工務店と消費者の間に入ることで、工務店による強引な販売や追加料金の請求を排除するというビジョンのもと、急成長しているサービスです。

リーズナブルで安定品質のサービスを提供できる要因はいくつかあり、材料をリノコ側で一括仕入れしていることや、全国700社の工務店や職人と提携してネットワーク化することで、シェアリングエコノミーのやり方で、彼らの空き時間を上手く束ねたり、ユーザーアンケート等に基づいて、施工店をランク付けし、仕事の優先度や提携の解消を行ったりすることで、品質を担保しているようですね。

ちなみに元々は低価格葬儀サービス「小さなお葬式」を提供する、ユニクエストの新規事業として始まりましたが、その後スピンアウトし、ユニクエストを支援していたジャフコの担当者だった現代表の高間館氏を招聘して現在に至った経緯のようです。

 最近の動向

住宅リフォーム市場の規模は6兆円を超えており、非ゲーム事業への展開を模索する親会社のグリーも2014年6月にオンラインリフォームサービス「いえプラス」を立ち上げていましたが、2014年12月に13億円で、当時設立2年売上高2.4億円、純利益△3600万円だった同業のリノコを買収、統合しました。

関連記事を調べていても、年商で語られていることが多く、またそれが売上と混同されているケースもありそうなので、正確には分からないですが、買収当時の年商は10億円程度と見られており、直近では月1.5億円ほどになっていて、30億円を目指すとのことなので、売上的には数億円代中盤から後半まで伸びてきているのではないかと思います。

また、買収時200件強だった、月間受注数も300件を超え、客単価も40万円と以前の倍くらいと語られている(掛け合わせると1.5億くらいになりますね)ので、事業として引き続き、拡大しているのは間違いなさそうです。ただおそらく、今回の決算を見ても損失額も大きくなって、宣伝広告や人件費への投資も増えているようなので、多くのM&Aがそうであるように、買収が成功だったかは判断するのはまだ先になりそうです。

決算数字の留意事項

基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。

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