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学校へのタブレット導入事例 ~望月陽一郎先生のお話より~

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現役の先生に教育現場のICT活用について伺いました

大分県の中学校で教諭をされていらっしゃる望月陽一郎先生に、教育におけるICTを学校現場でどのように実践されてきたのか、お話を伺っています。

【望月陽一郎 先生・略歴】

大分市 中学校教諭(理科担当)。大分県教育センター 情報教育推進担当主事、指導主事、大分県 主幹等を経て、現職。
https://www.facebook.com/yoichiro.mochizuki/about を参照。

前回は望月先生が実施されているICTミニ講座を切り口にして、「学校現場で先生方がどのようなICT活用の工夫をされているのか」についてお話を伺いました。

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学校の先生方は、どのようなICT利活用の工夫をされているのか。先生方はどのように試行錯誤されているのか。今回は望月先生の学校にタブレットを導入されてからのお話を伺います。

タブレットの導入

‐望月先生は、iPadやWindowsタブレットを授業で活用されているそうですね。導入までのお話を伺ってもよろしいでしょうか。

望月先生 私が勤めている学校がある市内では、平成25年度にタブレットが各中学校に導入されました。以下、簡単にまとめてみました。

タブレットの導入状況(平成25年度)

・各中学校にiPadが10台。

 ・・・学校規模に関わらず同じ台数です。

私の勤務校の場合、iPad1台あたりの生徒数は約90名となります。

・各中学校にAppleTVが1台。

 ・・・無線投影のみの想定。10台をセットで使用する。

・充電庫兼収納庫が1つ。

 ・・・鍵がかかる収納庫です。

導入時に問題と感じた点

・指導者が1台使うとして、学習者用が9台となるため、グループでの活用しかできない。

 ・・・30~40人のクラスがあるので、3~4人に1台。

    (1クラスのみ使用するとして)

・プロジェクターや大型テレビは職員室や理科室にあるものの(普通教室にはプロジェクター・テレビは常設されていない)、AppleTVが1台のみでは同時に複数の授業での活用ができない。

 ・・・例えば、指導者用として10クラスで同時に使うことなどは想定されていなかった様子。

・持ち運びが大変。10台を重ねるとかなりの重さであり、不安定。

 ・・・3代目iPad(652g)×10台=6.52kg

    厚さ9.4mm×10台=9.4cm

 ・・・隣の校舎の3階まで、重ねて運ぶのに、落としそうになったこともありました。

・アプリの追加不可。

 ・・・当初入っていたアプリ(iWork、ロイロノートなど)以外は追加してはいけないという指示でした。

望月先生 このように、タブレットをすでに使っていた私としては、ちょっと使いにくいなあと感じましたので、いくつかの工夫から始めました。

導入されてまず工夫した点

・指導者が提示用として使う工夫から始めました。

・有線アダプタを購入して、テレビやプロジェクターに接続できるようにしました。

 ・・・無線機器(AppleTV)をはぶくことで接続が簡単になる。

・追加のAppleTVを購入。2箇所で活用できるようにしました。

(バッグで持ち歩くことができるよう、簡易パッケージを作りました)

・10台をまとめて運ぶためのケースを購入しました。

・アプリの追加は不可とされていましたが、無償のものが追加できないか問い合わせました。

 ・・・やりとりの後、無償アプリ(広告なし)なら各中学校で追加できるようになりました。

 ・・・Epson iProjection(無償アプリ 写真の拡大・書き込みができ、実物投影機・電子黒板が不要になる)などのアプリを導入しました。

 ・・・最初からインストールされていたiWork(Keynote・Numbers)などの汎用アプリの活用を工夫しました。(フラッシュ型教材による小テストや授業進度表などに活用)

望月先生 このような工夫をすることで、まずは先生方が指導者としてiPadを使うための環境作りを進めました。

ちなみに今年度は、市内の小学校にもiPadが導入されましたが、

  • 大規模校は各12台。小規模校は各8台。
  • 昨年度フィードバックしたアプリ、iProjectionなど最初からインストールされている

とのことです。

タブレットの導入について

‐丁寧にまとめてくださり、ありがとうございました。iPadを導入する学校だけでなく、最近はWindowsタブレットを導入する学校の事例も多く見かけるようになりました。各中学校にiPadが導入されたのは何故でしょうか?

望月先生 コンピュータ室の更新に伴い、普通教室での活用を想定してiPadが選ばれたのでしょう。導入年度の夏季休業中に学校にも講師の方が来て、iPad活用について説明会が行われました。

私の方では、それ以前の1学期中に、

  • 周辺機器整備
  • 貸出体制
  • 授業での活用
  • 無償アプリの導入

など、導入初期の段階はすでに終えておきました。

有線アダプタについて

‐問題点であげられていますが、AppleTV1台のみでは、確かに使いにくい気がします。無線しか想定していなかったのでしょうか? 私が以前、勤務していた学校は、パソコンはすべて有線LANでした。無線だとネットワークが重くなるからと関係者から伺ったこともありますが。

望月先生 無線による「動きのある活用」を想定してAppleTVを入れたようですが、1台のみなので、iPadをまとめて10台使うイメージしかなかったのかもしれませんね。

そのため、有線アダプタ(AppleTVより接続が簡単で安価)を複数購入し、使いやすく複数クラスで展開できるようにしました。

また、追加のAppleTVを増やすことで、「動きのある活用」ができる範囲を拡げました。

運搬ケースについて

‐10台運ぶときに落としそうになったそうですが、運ぶためのケース付きでiPadを配布した方が現場で使いやすい気がします。

望月先生 導入検討の際には、ケースが必要という想定がなかったかも。重いので、やはり運搬ケースはあった方がよいと思いますね。

アプリの活用について

‐「当初はアプリの追加不可」だったとのこと。「無償アプリ(広告なし)なら各中学校で追加できる」ようになったそうですね。

‐「 Epson iProjection(無償アプリ:写真の拡大・書き込みができ、実物投影機・電子黒板が不要になる)」など、先生の活用は劇的な改善に思えます。電子黒板などのICT機器はとにかく大きいと場所を取りますし、それなりの予算が必要になりますから。

‐一般的なアプリの活用について、具体的な事例を伺ってもよろしいでしょうか。

望月先生 他にも当初から導入されていたiWorkの活用などを行っています。それらの実践例は、DiTT(デジタル教科書教材協議会)のサイトに、掲載していただいています。

※DiTTの先導先生には望月先生の32の取組みが紹介されています。

参考記事:

先導先生 - DiTT(デジタル教科書教材協議会)

‐望月先生の事例で「振り返る・・・①小テストの取り組み」では、keynote で作成したフラッシュ型教材を小テストに使う方法を紹介されていましたね。

---以下引用

期待できる効果/ICT活用のねらい

・フラッシュ型教材は、数操作(タッチパネル)で複製が可能。問題の文章を打ち替えるだけなので、ワープロ→印刷といった手間がかかりません。ワークシート(回答枠)は毎時間共通なので、子どもたちもすぐに問題にとりかかることができるようになっています。(問題作成時間 5〜10分)

・机間を回り、子どもたちの反応を確かめながら、コミュニケーションしながら問題を出すことができます。

http://ditt.jp/action/case/teacher.html?id=83&page=1 より引用

---

‐望月先生の取り組みは、難しい技術や特別な機器を利用するのではなく、授業に役立つ教材を作成したり、ICTの活用をしたりしている所に共感しています。

多くの先生方が活用しやすいのではないか、と私見ですが感じています。

タブレットの貸し出しについて

‐また、望月先生の提案で、DiTTが「タブレット貸し出し」の取り組みを始めるようになったとお聞きしましたが、学校の先生方にはよいことだと思います。

望月先生 先導先生に支援するということでしたが、なかなか支援策が提示されなかったため、DiTT事務局に提案してみました。せっかく多くのメーカーが会員となっていますから。

‐先生方が気後れしないで要望を伝えることは大事ですね。たとえば一学期間だけなど期間限定だとしても、とても有意義な気がします。

望月先生 10台のiPadではとてもたりないため、提案して、タブレット貸し出しの取り組みをお願いしました。

 ・・・平成25年度3学期、DiTTより10台のiPadを借りだし。

 ・・・複数の教科でグループ活用を行う。

 ・・・期間終了後は他校への貸し出しということで返却。

    やはり、台数が増えると、それだけで活用が拡がります。

平成26年度は、日本Microsoft社にお願いしたところ、10台のSurfaceRTを借りることができました。(iPadとの併用や比較研究が目的)

‐設定に手間取ったという話もお聞きしましたが。

望月先生 初期化がされていなかったため、アカウント情報のやりとりをしたり機器の交換があったりしました。導入というわけではないので、メーカーもノウハウがまだ積み重なっていないのでしょう。

‐MicrosoftのSurefaceRTとiPadとの併用や比較をされたとの事。それぞれの端末のメリット・デメリットを教えていただけますか。

望月先生 今検証しているところですが、

     ・iPad(指導者)、SurfaceRT(グループ)と併用しても、効果的である。

     ・AppleTVの無線投影は、「動きのある活用」にはとてもメリットがある。SurfaceRTでは難しいため、追加でSurface2を数台お借りして、無線投影を試行している。

     などは言えますね。

‐現時点で判明している具体的な検証結果を教えていただき、ありがとうございました。今後も差し支えがない範囲で検証結果を伺えましたら、大変ありがたいです。今回も実体験に基づくお話をありがとうございました。

おわりに

今回は望月先生が学校における「学校へのタブレット導入事例」を話してくださいました。教育現場でのリアルタイムなお話は、とても参考になりました。今回もありがとうございました。

>>「教育現場におけるWindowsタブレット活用事例 ~望月陽一郎先生のお話より~」に続く

参考記事

先導先生 - DiTT(デジタル教科書教材協議会)
※望月先生の32の取組みが紹介されています。

まとめ記事

今までに取材した「授業でのICT活用のポイント」「学校でICT機器を活用する時のポイント」「教材作成時に気をつけたい著作権の問題」などについては、以下の記事にポイントをまとめました。ぜひご参考にされてくださいね。

※インタビューの第1回目から11回目をまとめています。

関連記事

今までに取材した望月先生のインタビューをリスト化しました。

  1. 教育とICTを学校現場で実践する取り組み ~望月陽一郎先生のお話より~
  2. 授業を工夫するためにICTを活用する -望月陽一郎 先生-授業で工夫しているICT活用ポイントとは?-
  3. 望月先陽一郎先生によるICT機器の活用と啓発の取り組み
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  5. 教材を作る際、著作権についてどのようなことに注意しているか ~望月陽一郎先生のお話より~
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  7. 教育現場のICT活用能力の向上のために ~望月陽一郎先生のお話より~
  8. 学校へのタブレット導入事例 ~望月陽一郎先生のお話より~
  9. 教育現場におけるWindowsタブレット活用事例 ~望月陽一郎先生のお話より~
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  11. 教育現場における「タブレットのグループ活用」編 ~望月陽一郎先生のお話より~
  12. 理科の実験におけるICT機器の活用術 ‐中学校教諭・望月陽一郎先生のお話より‐
  13. デジタル教材「ランダムフラッシュカード」-中学校教諭・望月陽一郎先生のお話より-
  14. ICT活用とジグソー法について-中学校教諭・望月陽一郎先生のお話より-
  15. アクティブ・ラーニングとICT活用について-中学校教諭・望月陽一郎先生のお話より-

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編集履歴:2014.10.15以下の点を修正。

  • 導入されてまず工夫した点・・・3行目 ・・・ ・・・
  • 有線アダプタについて・・・4行目から まとめて iPadをまとめて
  • アプリの活用について・・・8行目 )さんのサイト )のサイト
  • タブレット貸し出しについて・・・4行目 局の方に 局に
  • 11行目 他への貸し出し 他校への貸し出し
  • 23行目 試しているところです。 試行している。

2015.12.02 17:53 本文中の「望月先生の32の取組みが」の数値を15→32に修正。

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