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営業にとって「IT予算」とは何か

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IT予算は増える傾向も、効果を実感している企業が増えていない――、JEITAが国内企業のIT経営に関する調査を発表

IT予算が増える傾向にあるらしい。ただ、「IT予算ってなんのこと?」を真剣に考えた方が良さそうだ。

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考えるべきポイントには、「どの部門の予算なのか」、「誰が意志決定するのか」、「何のために使うのか」の3つがあるだろう。

どの部門の予算なのか

「ITは難しく、素人には扱えない」、あるいは「情報システムは本業とは関係なく、バックオフィスを合理化する手段」と考えられていた時代、IT予算は情報システム部門の予算だった。

これがあやしくなるのはパソコンやミニコン、オフコンが普及しはじめた1980年代後半以降だろう。事業部門が自分たちの予算で、オフィス・ツールとしてコンピューターを購入するようになった。情報システム部門も基幹業務×メインフレームが自分たちの本丸であると考えていたし、自分たちの予算外でやることだから任せておいた。その結果、いろいろなところに「かくれIT」が増えてしまった。

そうはいっても、まだまだ情報システム部門の予算は大きかった時代だ。また、統制が効かないと言うことや調達の手間もあり、情報システム部門がそこも面倒を見る流れもうまれ、結局それらも情報システム部門の管理下に置かれることとなり、営業も情報システム部門を相手に商売すればよかった。

この状況が再び変わるのは、クラウドの普及だろう。情報システム部門に相談もなくsalesforce.comを使い始めるといった話しを聞くようになった。BIやマーケティングにも広がる。使う側には、それがITであるとの意識もなかったのだろう。そんな「シャドーIT」なる需要が拡大してゆくことになる。

さらに、デジタル・トランスフォーメーション(DXという書き方をする)への取り組み、すなわち自分たちの製品やサービスの機能や性能を高め、競争優位を築くためにITを使おうと言うことになると、それは完全に事業部門の予算になる。IoTやAIなどは、彼らの予算から出されている。

もはや「IT予算=情報システム部門の予算」ではない。むしろ、情報システム部門以外のIT予算が大きくなり始めている。さらに言えば、情報システム部門はコストとして予算を考えるから、「少しでも安く使いたい」といったプレッシャーに晒されているので、例え彼らからの需要が増えても、売上や利益、特に利益は圧迫され、いい儲けにはならない。一方で、事業部門は投資と捉える。投資対効果が見込めるのであれば、投資金額は増えてゆくし、工数だけではない価値をも評価してくれるので、利益率を高められるチャンスでもある。

誰が意志決定するのか

ハンコを捺くのは情報システム部門かもしれないが、事業部門や経営が意志決定に大きく関与する傾向にある。

「クラウドサービスの導入・利用拡大」と「サイバー・セキュリティ被害への対応」においては、50%を上回る高い割合を占めることが明らかになりました。ただし、AI(人工知能)やIoTの導入、デジタル・ビジネスや働き方改革といったテーマにおいては、既存のIT部門が中心的な役割を担うべきとした割合が半数を下回っており、相対的にIT部門の関与度が低くなることが予想されます。 国内IT投資動向調査報告書2018(ITR)

ここにもあるが、技術的に難しい、全社的に統制をとらなくてはならないやっかいな仕事は、情報システム部門に任せて、事業に直接関わる仕事は自分たちで決める傾向にある。実質的にIT予算は情報システム部門が掌握できていないし、その傾向はますます強まってゆくだろう。

何のために使うのか

基幹業務やオフィス・ツール、その運用やセキュリティ対策は、クラウドへとシフトしてゆく。その部分に於いて、情報システム部門の予算は維持されてゆくだろう。しかし、営業から見たときに、そこに伸び代もなければ売上や利益を拡大できる旨味はあまり見いだせないだろう。

一方で、DXに伴うITの戦略的活用に於いては、ますます積極的な投資が行われ、ITの需要も拡大する。ここにこそ営業的な価値がある。

以上のように考えてみると、「IT予算=情報システム部門の予算」ではないことを前提に営業アプローチを考えてゆかなければならない。むしろIT予算には分類されないAIやIoTなどのITを活かしたDX投資が、伸び代と利益を稼げる対象となる。そうなれば、当たり前のことだが、事業部門にアプローチできなければ営業としては業績を伸ばせないことになる。

彼らにアプローチする上で、大切なことは、テクノロジーの機能や性能を、お客様の事業の成長、すなわち差別化や売上増大、新しい市場の創出といったビジネス価値に置き換えて説明できることだ。こんな機能がある、以前より何パーセント向上した、他社と比べてこんな店が優れているなんて、どうでもいい話だ。いまならお安くできますなんて、口が裂けても言うべき言葉ではない。

お客様のビジネスの成果にこれだけ貢献できると伝えない限り、ふりむいてはくれないことを覚悟すべきだろう。


2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。

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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。

SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
情報システム部門の皆さんには、自分たちのこれからの役割やどのようなスキルを磨いてゆく必要があるのかを考えるきっかけをご提供します。

講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。

古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。

ビジネス・エグゼクティブのためのIT戦略講座

来年2月より、事業会社の経営者や経営幹部、事業部門の責任者や幹部といったエグゼクティブを対象に「ビジネス・エグゼクティブのためのIT戦略塾をスタートさせることに致しました。
ITに詳しくない経営者や事業部門のトップが、ITのトレンドや価値、それをビジネスに活かす方法について理解を深めてもらおうという内容です。
講師には、私だけではなく、デジタル・ビジネスの実践を支援し、グローバルに活躍している方やデザイン思考のプロを招き、単なる知識ではなく、実践的なノウハウも合わせて提供しようと準備しています。
先般承りましたご要望を全て満たすものではありませんが、事業会社の経営の現場で役立てていただける実践的な知識やノウハウを身につけて頂けるものと確信しています。

内容:全3回の講義と演習/受講者と講師のコミュニケーション

  • 2月26日(月)第1回 最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略
  • 4月27日(金)第2回 デジタル戦略を実践するための手法とノウハウ
  • 5月29日(火)第3回 未来創造デザインによる新規事業の創出

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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2018年1月版・改訂/追加リリース

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  • 開発と運用について大幅に追加改訂しました。
  • デジタル・トランスフォーメーションについての解説を増やしました。
  • 量子コンピュータについての記述を追加しました。

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追加・更新の詳細は以下の通りです。

ビジネス戦略編
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.5
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは p.11
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション実践のステップ p.12
【新規】デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる能力 p.14
【改訂】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション p.15
【改訂】共創の3つのタイプ p.82

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】深層学習が前提となったシステム構造 p.68

開発と運用編
【新規】開発と運用:従来の方式とこれからの方式 p.15
【新規】アジャイル開発の基本構造 p.16
【新規】アジャイル開発の目的・理念・手法 p.23
【新規】スクラム:特徴・三本柱・基本的考え方 p.25
【新規】スクラム:スクラム・プロセス p.26
【新規】スクラム:プロダクト・オーナー p.27
【新規】スクラム:スクラム・マスター p.28
【新規】スクラム:開発チーム p.29
【新規】エクストリーム・プログラミング p.30
【新規】これまでのソフトウェア開発 p.58
【新規】これからのソフトウェア開発 p.59
【新規】Microsoft Azureによる予測モデルの開発方法 p.60

インフラ編
【新規】ストレージ・コストの推移 p.215

テクノロジー・トピックス編
【改訂】ソーシャル・グラフ 解説文・追加&改訂 p.4
【改訂】CSIRT解説文・追加&改訂 p.6
【改訂】3Dプリンター 解説文・追加&改訂 p.7
【改訂】RPA 解説文・追加&改訂 p.17
【新規】量子コンピュータがいま注目される理由 p.73
【新規】D-Waveとは
【新規】量子ゲート方式の限界と可能性 p.82

ITの歴史と最新トレンド
*追加・変更はありません。

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*追加・変更はありません。

サービス&アプリケーション・基本編
*追加・変更はありません。

クラウド・コンピュータ編
*追加・変更はありません。

【講演資料】量子コンピュータ 
【新規】量子コンピュータがいま注目される理由 p.73
【新規】D-Waveとは
【新規】量子ゲート方式の限界と可能性 p.82

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