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新規事業開発で見落としがちな3つの視点

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ある大手企業で新規事業開発に関わる人たちを集めた研修とワークショップを行っています。参加者はそれぞれに自分のテーマを持ち、それをあるフレームワークに従って分析し、その価値や課題を明確にしてゆきます。そして、ひとつひとつについて、ディスカッションし「必ずうまくいく事業」にするためにはどうすればいいのかを考え、いっしょになって完成度を高めてゆく取り組みです。

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そんな議論のなかで見えてくる共通の課題を整理すると、次の3つに集約されるようです。

  1. お客様が是非ともお金を払ってでも手に入れたいと思えるのか?
  2. 世の中の常識に照らして、合理的な視点なのか?
  3. 売る人(営業やパートナー)、買う人(お客様)の気持ちに共感できているか?

この課題をどのように捉え、解決してゆくべきかについて、次のような話をしました。

  1. お客様が是非ともお金を払ってでも手に入れたいと思えるのか?

自分がお客様であったなら、何が何でも手に入れたいですか?

「タダだったら使ってもいいけど、お金を払ってまでは必要ない」なんてレベルではないですか?

「これは無かった!」、「これがあると大助かり?」とお客様の業務の実感が聞こえてきますか?

なぜスターバックスへ行くのかを考えて下さい。珈琲が美味しいからと言うより、あの居心地の良さがあるからコンビニよりも高いお金を払ってでも行きたいと考えるひとがいるからです。もちろん「安くてうまければいい」のであれば、コンビニで十分ですが、そうではない人が一定数いるからこのビジネスが成り立つのです。あなたのビジネスは、そんなお客様の感性と一致しているかを感じてみてください。

  1. 世の中の常識に照らして、合理的な視点なのか?

大きな理想を掲げることは大切なことです。そのためには広く世間の常識を学び、広い視野を持つべきです。しかし、ビジネスは実学です。評論家になってはいけません。

"「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」

新しいことを成し遂げるには、まず「こうありたい」という夢と希望をもって、超楽観的に目標を設定することが何よりも大切です。

しかし、計画の段階では、「何としてもやり遂げなければならない」という強い意志をもって悲観的に構想を見つめなおし、起こりうるすべての問題を想定して対応策を慎重に考え尽くさなければなりません。

そうして実行段階においては、「必ずできる」という自信をもって、楽観的に明るく堂々と実行していくのです。"

稲盛和夫氏の言葉です。この言葉に従ってみてはどうでしょうか。合理的とは、このような思考回路を持って、自分のやろうとしていることをリアルにイメージし、シミュレーションをしてみることです。それに「なるほど!」と合点がゆくものでなければうまくゆきません。

いま一度、他人の目線で自分の計画を見直してみてはどうでしょう。

  1. 売る人(営業やパートナー)、買う人(お客様)の気持ちに共感できているか?

どんなに優れた商品やサービスでも、それを売る営業の業績評価につながらなければ、売ってはくれません。お客様に「たった月500円です」と言っても、価値の実感がなければ、500円なんて怖くて払えません。

営業の業績評価に結びつけるルールを合わせて作ることも考えてみて下さい。まずはお客様に新しいサービスをタダで使ってもらって、その実感を確認した上で、課金をするという方法もあります。

営業は「簡単に売れて、業績も上がる」ことがわかれば、積極的に売ってくれるはずです。お客様は、「これはいいなぁ」と感じれば、もっと便利なオプションを有償ででも手に入れたいと思うでしょう。そうすれば営業のモチベーションも高まります。そのための営業ツールも用意すべきです。

そんな営業やお客様の気持ちに共感することです。あなたの計画に、そんな感性を織り込んでください。

売れる製品やサービスとは、使う側のお客様にとっても売る立場の営業にとっても魅力的でなくてはなりません。魅力的とは決して機能や性能だけではありません。その価値を正しく理解してもらうための動線、たとえば分かりやすい説明やタダで使ってみる体験、営業にとって説明しやすい言葉や営業資料なども含めてです。それら全体を含めて「製品やサービス」と捉えなければ、うまくゆかないでしょう。

ところが、「新規事業開発」を任されると、往々にして機能や性能にばかり注力し、現場との共感を忘れてしまいます。様々な製品やサービスがあふれている社会にあっては、これまで以上に現場に寄り添い受け入れてもらう方法を問わなければなりません。「共創」や「デザイン思考」という言葉が注目されるのも、そんな背景があるからです。

ここに掲げた3つの視点ばかりではありませんが、意外と見落としがちな視点ではないかと思います。

ビジネス・エグゼクティブのためのIT戦略講座

ITに詳しくない経営者や事業部門のトップが、ITのトレンドや価値、それをビジネスに活かす方法について理解を深めてもらおうという内容です。
講師には、私だけではなく、デジタル・ビジネスの実践を支援し、グローバルに活躍している方やデザイン思考のプロを招き、単なる知識ではなく、実践的なノウハウも合わせて提供しようと準備しています。
先般承りましたご要望を全て満たすものではありませんが、事業会社の経営の現場で役立てていただける実践的な知識やノウハウを身につけて頂けるものと確信しています。

内容:全3回の講義と演習/受講者と講師のコミュニケーション


2月14日(水)よりスタートする次期「ITソリューション塾・第27期」の受付を開始致しました。

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日程 2018年2月14日(水)~4月25日(水) 18:30~20:30
回数 全11回
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥97,200) 全期間の参加費と資料・教材を含む
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【お願い】早期に定員を超えると思われますので、まだ最終のご決定や参加者が確定していない場合でも、ご意向があれば、まずはメールにてご一報ください。優先的に参加枠を確保させて頂きます。
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第27期は、これまでの内容を一部変更し、AIやIoTなどのITの最新トレンドについての解説と共に、そんなテクノロジーを武器にして、どうやって稼げばいいのかについて、これまで以上に踏み込んで考えてゆこうと思います。また、働き方改革やこれからのビジネス戦略についても、皆さんに考えて頂こうと思っています。

SI事業者の皆さんには、これからのビジネス戦略やお客様への魅力的な提案を考える材料を提供します。
情報システム部門の皆さんには、自分たちのこれからの役割やどのようなスキルを磨いてゆく必要があるのかを考えるきっかけをご提供します。

講義で使用する500ページを超える最新のプレゼンテーションは、オリジナルのままロイヤリティ・フリーで提供させて頂きます。お客様への提案、社内の企画資料、イベントでの解説資料、勉強会や研修の教材として、どうぞ自由に活用してください。

古い常識をそのままにお客様の良き相談相手にはなれません。
「知っているつもりの知識」から「実践で使える知識」に変えてゆく。そんなお手伝いをしたいと思っています。

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2018年1月版・改訂/追加リリース

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  • 開発と運用について大幅に追加改訂しました。
  • デジタル・トランスフォーメーションについての解説を増やしました。
  • 量子コンピュータについての記述を追加しました。

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追加・更新の詳細は以下の通りです。

ビジネス戦略編
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションの意味 p.5
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとは p.11
【改訂】デジタル・トランスフォーメーション実践のステップ p.12
【新規】デジタル・トランスフォーメーション時代に求められる能力 p.14
【改訂】SIビジネスのデジタル・トランスフォーメーション p.15
【改訂】共創の3つのタイプ p.82

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】深層学習が前提となったシステム構造 p.68

開発と運用編
【新規】開発と運用:従来の方式とこれからの方式 p.15
【新規】アジャイル開発の基本構造 p.16
【新規】アジャイル開発の目的・理念・手法 p.23
【新規】スクラム:特徴・三本柱・基本的考え方 p.25
【新規】スクラム:スクラム・プロセス p.26
【新規】スクラム:プロダクト・オーナー p.27
【新規】スクラム:スクラム・マスター p.28
【新規】スクラム:開発チーム p.29
【新規】エクストリーム・プログラミング p.30
【新規】これまでのソフトウェア開発 p.58
【新規】これからのソフトウェア開発 p.59
【新規】Microsoft Azureによる予測モデルの開発方法 p.60

インフラ編
【新規】ストレージ・コストの推移 p.215

テクノロジー・トピックス編
【改訂】ソーシャル・グラフ 解説文・追加&改訂 p.4
【改訂】CSIRT解説文・追加&改訂 p.6
【改訂】3Dプリンター 解説文・追加&改訂 p.7
【改訂】RPA 解説文・追加&改訂 p.17
【新規】量子コンピュータがいま注目される理由 p.73
【新規】D-Waveとは
【新規】量子ゲート方式の限界と可能性 p.82

ITの歴史と最新トレンド
*追加・変更はありません。

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
*追加・変更はありません。

サービス&アプリケーション・基本編
*追加・変更はありません。

クラウド・コンピュータ編
*追加・変更はありません。

【講演資料】量子コンピュータ 
【新規】量子コンピュータがいま注目される理由 p.73
【新規】D-Waveとは
【新規】量子ゲート方式の限界と可能性 p.82

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