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EMIが遂にDRMフリーで楽曲を提供し始めたようです

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前のブログで、EMIがDRM(デジタル著作権管理)の無いフォーマットで楽曲を販売することを検討しているというテーマを取り上げましたが、遂に5月からDRMフリーで販売が開始されるようです。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/02/news099.html

「EMIの提携先は、販売する楽曲のファイルフォーマットをMP3、WMA、AACから選択できるという。また同社はミュージックビデオもDRMフリーで提供するという。」


DRMの問題を簡単におさらいすると、DRMはファイルのコピー防止という意味でアーティストの権利を守るものである一方、iTunesStoreで買った楽曲はFairPlayというApple社独自の仕様によるDRMが実装されているために、iPod以外のプレイヤーで再生できないというジレンマがありました。しかし、CDからパソコンに取り込めばDRMなしのファイルができてしまうわけで、ダウンロード配信のファイルにDRMを実装したからといって不正コピーを撤廃することはできないというのが実態です。


そうした中で、メジャーレコード会社はAppleにDRMの仕様を公開して誰でもAppleのDRMを実装できるようにすべきと主張し、逆にAppleはレコード会社はDRMを撤廃すべきだと主張していたわけですが、ここに来て4大メジャーの一角であるEMIが先ずDRMフリーの楽曲提供に踏み切ったというわけです。


これは音楽業界にとって非常に大きな一歩と言えます。もしもEMI以外のメジャーレコード会社もDRMを撤廃していけば、音楽配信サイトとiPodのようなデジタルオーディオプレイヤーは別々に選べるようになります。

しかし、前回も書きましたが、表向きにはAppleのスティーブジョブスの主張が通ってEMIがDRMを撤廃したように見えますが、DRMが無くなって困るのは、iTunesStoreとiPodとの垂直統合により顧客を囲い込んでいたApple自身では??という気がしますが、今後どうなっていくのか注目していきたいとこです。


いずれにせよ、音楽業界全体にとっては良い方向に向かってきたと言えます。

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