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外資系マーケ担当としてのクロスカルチャーな仕事と日常

外国人上司を説得しよう

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海外に本社のある日本法人の場合、「日本でもカタログを作ろう!」という際には本社のカタログを翻訳して作成するように、指示がでます。これは多くの外資系日本法人では、当たり前のことです。
文章も、写真も承認済みのものですから、翻訳&リライトをしっかり行って、レイアウトをA4に直せば一丁あがりです。最小の労力でカタログを作成することができます。

でも、本社の製品カタログの内容をを見てみると・・・・
文字でソリューションのコンセプトを語っている部分が5割、イメージ写真が3割、機能の説明が2割。
機能一覧やシステム構成などのチャートや画面イメージなどはナシ。
美しい写真と文字が延々8ページも続く。
読み易い日本語にしたところで、最後まで読んでくださる方がどれだけいるのだろうか?という疑問が残ります。

私は日本市場用にソリューションのコンセプトを一部割愛、イメージ写真も最低限に絞り、機能概要の箇条書きや画面イメージやチャートを追加するカタログ案を米国のCMO(Chief Marketing Officer)に提案する事にしました。
電話会議の前に、日本では文章で長々とに説明するよりも「どのような機能がある」かを「一目瞭然にみせる」カタログが好まれる例として、国内で作られている同じ外資系の同業他社のカタログをスキャンしたものをいくつか送りました。
外資系同業他社のカタログは、概ね大判の製品カタログは本社の物を翻訳して作成していますが、別途ソリューションや業界毎の1枚物の資料を作成している物が多いのです。その日本オリジナルの1枚物の資料にはチャートや機能の箇条書き多くが含まれています。本社のカタログには含まれていない、補足資料をわざわざ別途作成しているのです。

すると、日本独自に作成したチャートはどのようなものなのだ?という話になりました。
英語訳したチャートや機能概要一覧を見せて、説明します。
その結果、コンセプト説明は本社の原稿から翻訳し抜粋する事を前提に、日本オリジナルのチャートなどを付加した日本オリジナルカタログ作成の承認を得る事ができました。

時差があり、言葉の壁があり、文化の壁があり。

三重苦のやり取りは大変ですけれど、相手を論理的に説得する材料があれば、彼の地にいる外国人上司にも理解して貰えることがあります。
結果はやってみないと判りませんが、だんだん勝率が上がってきました!

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