adtech tokyo 2010 (1): ターゲティング/ロケーションのセッション
小生も登壇の ad:tech Tokyo 2010(http://www.adtech-tokyo.com/ja/)は、すごい人の入りようで、盛況に終了。
小生は今回、10月29日(金曜日) 3.10pm - 4.00pmに開催のパネルで、Brand Marketingトラックの
「Target Based
Advertising Concepts & Realities for Local Based Campaigns」
「ターゲットベース広告ローカルベースキャンペーンにおけるコンセプトと現実」
のモデレータを務めました。これからのテーマで、マーケティングの未来をみるセッションとなりました。
http://www.adtech-tokyo.com/ja/conference/session_detail/October_29th_11.html
かいつまんで言うと、まずPanelistからそれぞれプレゼン。
森田恭平さん(アドビ システムズ 株式会社 オムニチュア事業本部 コンサルティング部 ビジネスコンサルタント)は、自社サイト内ターゲティングについて。
・通販、オフラインなどの例:レンタカー会社では、クルマを取りに来なかった顧客にWelcome back!と割引をオファーしたり。
・米国では2006年から普及し、いまではかなりな比率に・・・しかし、日本はまだまだ。理由は、そもそもウェブ解析そのものが普及していない、それはいまのルールに触れるからダメとか承認おりない、といったユーザー企業の未熟さゆえ。
・なお、深堀しすぎても手間がかかりすぎて合わない(凝りまくる一部の日本企業にみられる・・米国ではこれはない)
→ ターゲティングの可能性は大きい。しかし大半の日本企業はこれを使いこなせていないのが実情。これからチャンス。
馬渕邦美さん(Tribal DDB Tokyo ジェネラル マネージャー)は、グローバルなデジタル・エージェンシーの代表だけあって、米国のLBS(Location-Based Services)について教えてくれました。ちなみに、Tribal DDBはちょうどMobileBehavior社を買収したばかりでタイムリー。
・米国でFoursquareなどLBSアプリを使用したことがある成人ネットユーザーは4%
8割が男性、7割近くが19-35歳
・1500のBar・レストランを参加させたサムソンの街角ソーシャルメディアなどの例あり。あとSXSWでのLevisなど。
→ これから、ということですね。ネット・ギークスが騒いでいるが、メジャーな市場にはまだまだ。
村田岳彦さん(ヤフー株式会社 地域サービス本部長)は、最近買収した(位置情報連動広告サービスで知られる)シリウステクノロジーの話をし、ロケーションの技術の重要性を説いた。
・「渋谷」がホット。Foursquareで世界最大のチェックイン都市は渋谷。シリウスのデータでも同様。
・特定地域で、ケータイにかなりの数配信されるが、実際に効果を出すには至らなかった実験的な事例を紹介。
→ ポテンシャルはありそう。でも、位置だけではダメ。組み合わせやクリエイティブの工夫などが必要。
鈴木曜さん(富士重工業株式会社スバル国内営業本部マーケティング推進部宣伝課)は、興味深いプレゼンを。
「@T_Kaneda_T: 富士重工さんのターゲッティングの話が興味深かった。ショールームへの来場を増やすんやから凄いわ。もっと詳しく聞きたい! #adtechtokyo」というツイートも。
・自社サイトの特定ページの閲覧と、店への来場者数に、相関がみられる。よって、そのページに誘導するようにサイトを改善すれば、効果は上がる。
→ これを初め、(見つけるのは大変だが)具体的な施策が色々とある。
・オフラインに常時接続を組み合わせる。ドライブレコーダー、販売店リンク、ドライビング・ターゲティングなど色々可能性あり。クルマを電子デバイスととらえると、行動データはとれるし、ターゲティングもできる。
→ クルマは何十年も本質的な変化がなかった。これからコミュニケーションの媒体として楽しみ(ヤフー村田さんも興味を示したコメントを)
ディスカッションでは、色々と出たが、一部を以下に:
・(時間ほか)様々なターゲティングが可能。
・しかし、運用が大変。データ管理をどうするのか?ツールはないのか?
・(LBSなど)米国はプラットフォームうまい。
・ホームページを持たず、ツイッターやSNSだけという(小さな)会社への対応も考えていく。
可能性はあるが、容易ではないので、企業によって差が生じる分野という印象でした。しかし、面白そうな分野であるのは間違いない。