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沖縄出張(2)OIST国際シンポジウム:知的・産業クラスターの形成

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前回の続き。10/6午前のシンポジウムから。 

基調講演
フィリップ・ヨー氏 シンガポールSPRING(中小企業育成標準政策庁)長官、首相府経済開発担当 特別顧問 演題「シンガポールの経験:科学技術による経済発展」

Philip Yeo氏のプレゼンは、充実した内容だが、時間の制約もあり、すごいスピードでした。
Idea generationからProof of conceptと、各セクターでサイクルを回す。5年ごとに新しいセクターを開発する戦略が必要。― 石油化学からバイオへの移行の例を紹介
Bring researchers students from overseas。優秀な若手を世界から。海外から招いて市民権を与えるだけでなく、シンガポールの優秀な人を海外へ留学させるサポートも。

パネルディスカッション
テーマ「沖縄における知的・産業クラスターの可能性と課題及びOISTの役割」
<モデレーター> 日経BP社医療局主任編集委員 宮田満氏
<パネリスト>
San Diego Regional Economic Development Corp. CEO ジュリー・マイヤー・ライト氏
財団法人沖縄県産業振興公社専務理事 平良敏昭氏
財団法人バイオインダストリー協会専務理事 塚本芳昭氏
Musea Ventures パートナー サス・ソメック博士
OIST代表研究者、ソニーコンピュータサイエンス研究所取締役所長、沖縄振興審議会総合部会専門委員 北野宏明博士

パネルの模様
P1020181

参考記事:沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-10-07_10908/

以下、雑記メモから:

財団法人沖縄県産業振興公社専務理事 平良敏昭氏
・沖縄県産業振興公社 中小企業振興
・三次産業が 90% ・・・いびつな構成
・基地経済 1500億円、数%くらい・・・言われるほど大きくない
・公的支出 14位・・・多いが、飛びぬけてはいない
・一人あたり所得 最下位
・位置:東アジア・・・特徴として
今年三月に沖縄県ビジョンを

バイオインダストリー協会専務理事 塚本芳昭氏
・OISTは日本全体のオープンイノベーションの閉塞感を変える可能性がある

Musea Ventures パートナー サス・ソメック博士 Dr Somekh:
アプライドマテリアルで技術のリーダー。ファミリーVC、クリーンテックに投資
・GDPの%でベンチャー投資は
 Israel 0.7
 USA 0.35
 Japan 0.1以下・・・とても少ない
・Israel
 University, defense, US access to market (BIRD foundation)
・After Berlin wall fell, Defense industry recession
 VC, incubatorへ
 Internetで発展.  いまExtending to pharmacy
・「Must develop own brand」
 Based on academic excellence.  Best scientists in the world
 R&D cluster based on Japanese strength.   
 Corp Japanに本題企業の centers
<このブランドの話は、沖縄に限らず、どこでも重要なポイント>

サンディエゴ経済開発公社CEOのジェリー・マイヤー・ライト氏(成功例で知られるサンディエゴ・バイオクラスターのリーダー):
・沖縄はサンディエゴと気候も似てる。軍、観光といった点も。
・ひとつはエアライン。Southwestのおかげでアクセスよくなった。チケットも$600したのが安く。沖縄もこれ必要。
・フロリダも知事がサンディエゴに何度も来て、根気強くやって立ち上がった。
・You need to show the complete cycle
・Out of the box thinking to attract people
 - Part-time basisも受け入れ、Best peopleを
・Policy innovationが必要
・Walking distanceに色々揃っているのは大切

OIST代表研究者、ソニーコンピュータサイエンス研究所取締役所長、沖縄振興審議会総合部会専門委員 北野宏明博士
System Biology Inst. 構想段階からアドバイザー、内閣府沖縄振興の委員
沖縄の21世紀ビジョン
JSPs high definition psychology project
Open energy system
- Abu dhabi MASDAR project
- Sino-Singapore tianjin Eco-city project
Competitionがある。

[議論から]
・Military、Company spin off、Research inst
・地域振興 だけじゃだめ。受け皿も必要。
・魅力的なパッケージ必要。始めが肝心。企業は後でもよい。
・サンディエゴ:1984年に最初のバイオ企業。そこからいままで時間がかかる。何十年の話。

[Q&Aから」
成功とは?
那覇―シンガポールの直行航空便があること・・・それだけ成功している証。とにかく科学者でも企業でもどこにするか検討リストに沖縄があがること。

チーム、大学、ブレークスルー
投資が海外からも

世界に認められる。世界一の分野を持つ。
東大、スタンフォードを蹴ってOISTに来るようになること。

第二のシンガポール

どう学生集めるか?
北野さんタイプ(ビジネスもわかる科学者)育成はどうするか?

シンポジウム後のランチ
P1020188

全般的には一般論が多かったが、サンディエゴやシンガポールなど先駆的な事例の当事者リーダーからのコメントは重みがあり、またSassさんや北野さんのようなサイエンティストかつentrepreneurialな方からの指摘は刺激的だった。
問題は、沖縄がそれを受けとめ行動できるかだ。これは、とても長期的に、相当の努力を必要とする。

しかし、OISTのような梁山泊というか世界の人材集積所というか、壮大な実験を活かさねばもったいない。これは沖縄だけでなく、日本のチャレンジだ。

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