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 現在日本国内でデスクトップ用途に使われることもあるメジャーなLinuxディストリビューションといえば、Turbolinux、Vine Linux、SUSE LINUX Professional 9.3、Fedora Core、Debianあたりだろうか。もしかしたらKNOPPIXもこの中に入れてもいいかもしれない。

 ことエンタープライズ領域ではサポートなどの安心感も求められるため、商用Linuxディストリビューションを使うことが多いようだが(そもそもそれほどデスクトップLinuxは普及していない気がするが)、マウスやキーボードにこだわるよう、OSもできれば同じものを長く使いたいと考える人も多いはずだ。故に自分はSLPやFedoraをメインで使いたいとは思わない。それでもFedoraには実験的な立場という存在意義があるが、Red Hatがそこにどれだけの意義を感じているのかは謎である。こういう決断をしているあたり、つかず離れず、くらいがちょうどよいと考えているのだろう。SLPに至ってはその2年後を想像すると、「兄さん、怖いよ」(ナイトヘッド)な気持ちだが、先日のインタビューで気になる発言もあったりするので、まぁ様子見というスタンスでいる。

 それでもそれなりのサポートと商用ソフトが付属して2000円くらいのLinuxディストリビューションがあれば、「まぁいっかぁ」で済ませられるし、万が一「使えねぇ~」と思ってもあきらめがつくのに、とか考えていると、どうやら21日にこの種の発表があるようだ。まぁこうした動きをするディストリビューターはあそこしかないが、いろいろと気になるポイントについては、明日発表会で聞いてみよう。

 ちなみに自分はiPod shuffleにFirefoxとThunderbird、エディタとFTPクライアントなど日常業務で使いそうなアプリを入れて持ち歩いているので、最近はあまりOSにはこだわりがない。いっときはKNOPPIXもUSBブートで利用していたが、ときおりUSBブートができないPCに出くわすので、アプリケーションだけにしている。


●今日いただいたもの

スーパーコン甲子園―プログラミング大好き高校生たちの挑戦!4535784337
松田 裕幸 渡辺 治

出社すると、日本評論社からこの本が献本されていた。
# どなたが送ってくださったのか分かりませんが、ありがとうございます

自分はスーパーコンピュータ関連の記事も担当しているが、それを覚えていてくださった方もいるのだろう。

この本は約180ページあるが、その大半が過去大会で出された課題に対する解法やその理論を中心に展開している。興味深いのは第5回大会の課題。セルオートマトンを考えるにはいい問題だと思う。個人的にもセルオートマトンには非常に注目している。そのほか、冒頭のスパコンとは何ぞや的な説明や、合間合間に挟まれるコラムが面白い。スーパーコン名物の坂本氏などまで紹介されている。 コンテスト参加者のその後あたりを見るのも興味深い。

個人的にはこの本で最高に面白いと思うのは「NP完全問題」のあたりだ。NP完全問題は最適な組み合わせをすぐには求められない問題のことで、逆に言えば、この種の問題を効率よく解くことができれば、すべてのNP問題が効率よく解けてしまうわけだ。ちなみに、NPは「Nondeterministic Polynomial-time」。そこから派生してP≠NPのような今なお数学者を悩ませ続ける問題が存在する(100万ドルの懸賞金がかけられている)。結局のところ、NP問題に対して汎用のアルゴリズムがないと(少なくとも現時点で)考えられている以上、状況に応じてヒューリスティックなアルゴリズムで対応していくことが求められる。そうした職人芸を競うのがスーパーコン甲子園であるとも言える。

今年も取材に行かせていただきます。

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