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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

ベアリング・ミーツ・鉄琴

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 今日から文化庁メディア芸術祭が新国立美術館で始まった。昨年のイベントがとても面白く、かつ週末に出かけたら混雑していたので今日足を運んでみた。

 ここではテクノロジーを駆使した現代アートやアニメやマンガなどのサブカルチャーが並んでいる。普段芸術に興味ない人でも、身近なテクノロジーからちょこっとアートに触れられる。

 いろいろと見どころはあるが、ちょっと面白かったものを1つ。

 アート部門/インスタレーションの部で審査委員会推薦作品となった「ベアリング・グロッケン II」、ベアリングの玉で鉄琴を奏でる楽器だ。落とされたベアリングの玉は4つの鉄琴の上を跳ねて「チン、チン、チン、チン♪」と4つの音を鳴らし、同じ場所に落ちる。鉄琴は4列あるので、4種類の「チン、チン、チン、チン♪」を組み合わせて曲になる。それだけといえばそれだけではあるが、ほぼすべての玉が同じように弾み、4つの鉄琴の上に落下して音を鳴らすことができるのは玉が真球だからこそ。

 「パチンコ玉じゃできませんよ」と現場にいた作者が教えてくれた。パチンコ玉だとランダムに玉が跳ねてしまい、狙ったような音楽にはならないのだそうだ(そう考えるとランダムに跳ねるからこそパチンコ玉はゲームになるのかもしれない。ベアリングでパチンコをしたら面白くないだろう)。

 こんな楽器が作れるのも真球を作れる技術あってこそ。日本の工業製品の品質の高さが可能にした楽器という気がする。ベアリングが鉄琴を鳴らして繊細な音楽を奏でるなんて、すごく意外。会場に足を運んだらぜひ見てもらいたい。

 なおiPhoneをお持ちの方はJMAF naviというアプリをインストールしておくことをおすすめする。時間帯によってその日の講演スケジュールを表示したり、無線LANで位置情報を取得し、現在地にある展示作品を表示したりしてくれる。

 開催は2月14日までと短い。特に週末はゲーム、アニメ・マンガコーナーは混雑するので、行くならお早めに。

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