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報告書の添削を続けたら文書作成能力が向上しました

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あるお客様(A社とします)からの依頼で定期的に引き受けている「報告書添削」業務を紹介します。

ソフトウェア開発を行っているA社では、社員の「書いて説明する力」を引き上げたいと考えていました。ソフトウェア会社では、プログラムを書くのは苦にしないけれど人が読む文書を書くのは苦手、という社員がいるのは珍しくありません。

そこで注目したのが社員が随時書いていた業務報告書です。仕事の区切りごとに、現在まで携わった業務内容を振り返り、今後の展望についてまとめて内部報告を書くルールがあったのですが、これが「分かりにくい」というのが受け取る上司の悩みでした。

内部報告を分かりにくくしか書けないのであれば顧客向けの文書でも同じでしょう、それは困る......かといって添削するのも難しい......

ということで私が添削を引き受けることになりました。

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実際に添削をしてみると、気をつけるべき「業務報告の書き方のポイント」が見えてきたので、同社特有の「報告書の書き方ガイドライン」を作って提供し、以後はガイドラインと添削の二本立てで「社員の書く力向上」を図っています。

この方式ですと、もともと書いている報告書を添削するので、社員には新たな負担は生じません。上司にとっては今まで多少なりとも手がかかっていた「書き方指導」が不要になって楽になります。

さらに、実業務について自分が書いた内容を題材にするので、業務との関連性が明確です。社外の公開講座等を受講するとどうしても「教科書の内容を自分の業務に応用する」部分にハードルがあり、なかなか実践が進まなかったりするものですが、自分が業務で書いた文書への添削ならその問題が起きません。

この添削を続けたところ、報告書の品質は数年で格段に向上しました。

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グラフのA~Dは報告書の品質を総合評価した指標で、初年度はゼロだったA評価が2年目で2割、4年目で3割を超えるまでになり、「いちおうの合格点」と言える「A+B」の合計も初年度1割以下だったものが2年目には5割に達しています。

この添削は会社によりますが年に1~数回行っており、必要な費用は過去実績では社員一人当たり年間2万円前後です。具体的なご相談についてはお問い合わせください

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本稿はオフィシャルサイトからの転載です。

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