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大企業から優秀な人材が離脱してしまう10の理由

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリは一週間前くらいの記事で恐縮ですが、Forbesより。


Top Ten Reasons Why Large Companies Fail To Keep Their Best Talent
大企業が優秀な人材を引きとめられない10の理由


著者は投資会社の創業者、Erick Jackson氏。

Yet, Yahoo!, GE, Home Depot, and other large established companies have a tremendous advantage in retaining their top talent and don't.

Yahoo!やGE、Home Depotやその他の伝統的な大企業はトップクラスの優秀人材を引き留めるのにかなりのアドバンテージがあるはずなのに、実際はうまくいっていない。

というのが問題意識で、Jackson氏の見るところ、そこには主に10の理由がある、と言います。


1. Big Company Bureaucracy
1. 大企業ならではの官僚制

これは想像がつくところ。ですが面白いのは、

This is probably the #1 reason we hear after the fact from disenchanted employees. However, it's usually a reason that masks the real reason.

これがおそらく幻滅した社員から聞く理由として1番に来るものだろう。とはいえ、実際にはこれは本当の理由を隠すための言い訳であることが通常だ。

クリティカルな理由ではない、とのことですね。ということで後続を見ていきましょう。


2. Failing to Find a Project for the Talent that Ignites Their Passion
2. 優秀な人材が情熱を燃え立たせるようなプロジェクトを社内で見つけられない

本当は社内でそういう機会はあるはずで、それを探してアサインすべきなのに、

HR people are usually too busy keeping up with other things to get into this. The bosses are also usually tapped out on time and this becomes a "nice to have" rather than "must have" conversation.

人事はたいてい他のことに忙しくて社内の機会探しに関与することができない。上司もいろんなことを間に合わせるのに忙しくてこのことが「マスト事項」ではなく「やれればいいね」という会話のみで終わってしまっている。

でも「マスト事項」にしないと、優秀な人材は去っていってしまいます。


3. Poor Annual Performance Reviews
3. 業績評価が貧弱

You would be amazed at how many companies do not do a very effective job at annual performance reviews. Or, if they have them, they are rushed through, with a form quickly filled out and sent off to HR, and back to real work.

どれだけの会社が年末の業績評価をうまくできていないか、それを知ったら驚くに違いない。もしくは、実施自体ができていたとしても、帳票にさっと記入して人事に提出したらすぐに本業に戻る、というように急ぎ仕事でやっているにすぎない。

その結果上司と会社への信頼が失われる、と。


4. No Discussion around Career Development
4. キャリア開発についてのディスカッションが無い

most employees don't know what they'll be doing in 5 years. In our experience, about less than 5% of people could tell you if you asked. However, everyone wants to have a discussion with you about their future.

多くの社員が5年後に自分が何をやっているのか定かではない。我々の経験上、実際に聞いてみるとそれがわかっているのは5%に満たない。しかし、実は全員が上司と未来についてディスカッションをしたいと思っているのだ。

これは大いなる機会損失!


5. Shifting Whims/Strategic Priorities
5. 思いつきが多い/戦略的な優先順位がコロコロ変わる

きちんとエキサイティングな仕事を優秀な人材に与えている会社は多いものの、

The challenge for most organizations is not setting up a strategic priority...but sticking with it a year or two from now.

多くの組織にとっての課題は戦略的な優先順位を立てることではなく...向こう1~2年その戦略を全うすることにある。

環境変化はあるとしても、誠実に対応するべき、と。


6. Lack of Accountability and/or telling them how to do their Jobs
6. 説明責任不足、および/または、指示が事細か

it's a mistake to treat top talent leading a project as "untouchable." We're not saying that you need to get into anyone's business or telling them what to do.

優秀な人材が率いるプロジェクトを"手放しにする"ことは間違っている。(そして)我々は上司が部下の仕事に口を突っ込むべき、あるいは、何をすべきか指示しろ、と言ってるわけでもない。

適切なマイルストーンの設定がカギ、ですね。


7. Top Talent likes other Top Talent
7. 優秀な人は同じような人を好む

What are the rest of the people around your top talent like? Many organizations keep some people on the payroll that rationally shouldn't be there.

優秀な人材の周りにいる人はどのような人だろうか? 多くの組織では理性的に考えるとそこにいるべきではないはずの人々を雇い続けている。

日本の今の慣習ではどうにもならないかも、ですが、周囲の人に恵まれないことを理由に退職する理由も多い、とのこと。


8. The Missing Vision Thing
8. ミッションやビジョンなどが無い

This might sound obvious, but is the future of your organization exciting?

自明のことと思うかもしれないが、本当にあなたの組織の未来はエキサイティングだろうか?

原文ではこの後もいくつか質問が続きますが、

If the answer is no, there's work to do -- and fast.

もし答えがノーだとしたら、まだまだやるべきことがある、ということだ。しかも早急に。


9. Lack of Open-Mindedness
9. 心が狭い

日本語にするのが意外に難しいところですが、先入観が無いとはいえない、といったところ。

a lot of companies...often find opposing voices to this strategy as an annoyance and a sign that someone's not a "team player."

多くの会社が自社の戦略に反対する意見を頭痛の種と感じ、それを提言した人を"チームプレーヤー"でない人とみなす傾向にある。

一方優秀な人材は会社のためを思って提言を行うわけで、そこに不幸なすれ違いがある、という構図。


10. Who's the Boss?
10. 上司は誰?

もし同じ上司の元にいる部下が複数人同時に辞めていったとしたら、このケースが該当することが多いそう。

We'll often get asked to come in and "fix" someone who's a great sales person, engineer, or is a founder, but who is driving everyone around them "nuts."

我々はよく会社に乗り込んで、優れた営業やエンジニア、あるいは創業者であるものの、周りにいる人を"馬鹿にする"人を"直す"ように依頼されることがある。

その手法はエグゼクティブ・コーチングであるケースが多いようなのですが、それで成功するのは3分の1だとのこと。


以上10の理由を抜粋しましたが、全てではないとしても、人事ができることは多々ありそうです。しかも、今すぐにやらねばならないような。
とはいえ、もう年の瀬ではありますので、年末年始の間に頭の片隅で、来年・来期に実施すべきことを一人ブレストするのも良いのではないでしょうか。
お読みいただきありがとうございました! Have a wonderful Christmas!!


今や2. 3. 4. 6. 7. 8. 9. 10.あたりは、人事が主管となって取り組むべき課題と言えるのではないでしょうか。
人事制度改革人材育成、その前段階としての診断アセスメント、総合的な意識改革など、全面的にご支援が可能です。
小さなことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせくださいませ

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