オルタナティブ・ブログ > 未来の人事を見てみよう >

人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

Return on Influence(ROI)こそが人事の成果

»
クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリはHuman Resource Executive Onlineより。
(特に上層部の)人事の要諦は、優れた影響力にある、との話です。


When ROI Means Return on Influence
ROIが影響対効果を意味するとしたら


影響(influence)の意味をDictionary.comで見てみると、

"the capacity or power of persons or things to be a compelling force on or produce effects on the actions, behavior, opinions, etc., of others."

「他人の行動や態度、意見などに対して説得力を持ったり影響を与えたりする人やモノの力の能力」

と定義されているのですが、著者のMeisinger氏によると、

For HR executives, the ability to influence others is surely a key competency.

人事の幹部としては、他人に影響を与える能力は疑いなく主要なコンピテンシーである。

全てのリーダーにこの能力は必要だが、特に人事には必須だと。その理由は

much of what HR can get done in any organization is dependent on working through others.

どのような組織においても人事が成し遂げられるものの大部分は、他人に働きかけることによって行われる依存的なものだからだ。

具体的には、

A performance-management system requires managers to provide regular, useful feedback to employees. A compensation system that's linked to the strategy of the enterprise requires managers to accurately explain compensation decisions to their direct reports. And building a culture of mutual respect requires leaders throughout the organization to model respectful behaviors.

業績評価制度においては、管理職が社員に対して定期的で有効なフィードバックを提供する必要がある。企業戦略に紐付いた報酬制度においては管理職が直属の部下に対して報酬が決まったあらましを正確に説明することが求められる。そして相互に尊重しあう文化を形成するためにはリーダーが組織全体に対して尊敬すべき行動をモデルとして体現する必要があるのだ。

人事は管理職やリーダーを通じて、これらのことを実践させていかないといけないが故に、影響力が肝になる、ということです。

著者によると、他部門から人事へ移ってきた幹部にとって、人事の役割は思ったよりも難しい、とのコメントを多くもらうそうです。その理由は

They couldn't operationally control desired outcomes. Instead, they had to use their influence and work through others, which was more time-consuming and difficult.

望ましい結果を自らの手でコントロール出来ないのだ。その代わり、彼らは自らの影響力の行使と他人への働きかけを余儀なくせられる。これはより時間のかかる、より困難な行為だ。

上記のように、人事の仕事はまさに依存的、というところに尽きるようです。

では、どのように人事が影響力を獲得すべきか?
このまま書いていくとほぼplagiarism(盗用)になってしまいそうなので、ポイントだけ抜き出します。
詳細は是非原文をお読み下さい。平易な英語で読みやすいです。

1. Make sure to take care of the transactional pieces of your HR responsibilities

1. 人事の責任範囲における日々のやり取りをきちんと丁寧に行う

他人を律するなら、まず自分から。ロールモデルとして。

2. Invest the time and study necessary to have a deep knowledge of financial and other non-HR-related issues confronting the business

2. 必要なだけの時間と労力をかけて、自社のビジネスが直面しているファイナンスや人事以外の領域についての深い知識を得る

ただの人事スペシャリストではなく、人事を専門軸とする経営のプロフェッショナルへ。

3. Realize that every communication can impact HR's ability to exert influence within an organization

3. 全てのコミュニケーションが、組織に影響をおよぼす人事の能力にインパクトを与えうることを心に留めておく

人事の言語ではなく経営の言語で。アカウンタビリティは聞く相手方ではなく話すこちら側に。

4. Take the time to listen

4. 聴く時間をきちんととる

政治ではなく、具体的な実践として。こちらから話を聴きに行く。

5. Demonstrate your courage

5. 勇気を示す

誰もが問題に直面したがらないからこそ。


お読みいただきありがとうございます!


人事マネジメントに実際に関わるのは、人事ではなく現場です。
現場の組織力・人事力を向上するトレーニングをご用意しております。

Comment(0)