オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

【経済産業省編】政府のIoT、ロボット、人工知能、自動走行車などに関する28年度概算要求

»

経済産業省は2015年5月28日、平成28年度経済産業政策の重点、概算要求などを公表しました。

柱となるのが、「イノベーションによる成長実現-未来投資による生産性革命-」です。

スクリーンショット 2015-08-29 11.12.44.png

出所:平成28年度 経済産業政策の重点 2015.8

IoT、ビッグデータ、人工知能等による変革に対応するため産業構造審議会に「新産業構造部会」を設置」でも紹介していますが、IoT、ビッグデータ、人工知能等による変革に的確に対応するため、「日 本再興戦略」改訂 2015に基づき、産業構造審議会に「新産業構造部会」を設置し、官民が共有できるビジョンを策定し、官民に求められる対応について検討を進める、としています。

○ITによる産業構造・経済社会の革新では、IoT・ビッグデータ、人工知能、ロボットなどの施策があげられており、

・ IoT・ビッグデータ、人工知能の研究開発の加速、社会実証を通じた活用促進 139億(新規)
・ロボット導入実証事業                          30億(新規)
・次世代人工知能・ロボットの産総研等の研究開発の加速           85億(70億  ※( )は平成27年度当初予算

などの予算要求をあげています。

AI、ビッグデータ、IoT などの新たな情報技術は、サイバー空間と実空間が密接な連携をもたらす、データ駆動社会を実現させ、我が国の経済産業、社会に大きな変革をもたらすとし、 具体的には、

①モノのデジタル化・ネットワーク化(IoT)が急速に拡大し、大量のデータ収集が可能になり、
②AI の進化による、蓄積された大量のデータに対する解析が、判断の高度化や自動制御を進展させることで、
③リアルタイムに、また産業の垣根を越えた新サービスや制御を実現可能とする。

としています。

各項目の予算の概要は、以下のとおりです。

1 章 イノベーションによる成長実現-未来投資による生産性革命-

○先進モデル実証事業:IoT 推進のための新産業モデル創出基盤整備事業等 60.3 億円 (新規)

△産学官連携による推進体制の構築(「IoT 推進ラボ」(仮称)の創設) IoT・ビッグデータ・人工知能の活用を通じて、あらゆる産業のビジネスモデルの革新を推進すべく、産学官の様々な主体が参画した「IoT 推進ラボ(仮称)」を創設し、民間主導のユースケースを迅速に掘り起こすとともに、課題となる規制・制度改革やルール形成の検討等を行う 。

<実証イメージ>
(保安) 産業保安の高度化 産業保安水準の維持・向上、重大事故の撲滅に向け、新たな技術を柔軟かつ効果的に活用する規制への進化の一環として、自主保安の高度化を促す規制の見直しを検討するため、プラントに蓄積されている様々なデータを活用して事故の予知精度を高める等の各種実証を行う。
(モビリティ) 高度な自動走行システム(先導車に後続車を電子連結等により連結する隊列走行等) 運輸部門の省エネルギーの推進やドライバー不足等の社会課題の解決を図るため、センサー等で収集された走行に必要な情報を解析し、車両の制御等に活用する自動走行システムの開発や実証等を行う。

○IoT 推進のための横断技術開発プロジェクト 37.3 億円 (新規)

IoT による効率的で高度なデータ利活用を実現するため、端末(センサー)側でのデータ処理技術を始めデータの収集・蓄積・解析といった分野横断的に活用可能な共通基盤技術について、産学官の連携体制で研究開発を推進する。その際、関連する知財の集約化等を図り、多様 な大学・企業等が最先端技術を活用しやすくすることで、研究開発成果の普及を促進する。

○次世代人工知能・ロボット中核技術開発 30.6 億円(10.0 億円)

場面や人の行動を理解・予測し、適切に行動する賢い知能や、屋外で高速かつ精密に距離を計測するセンサや光沢物等の難識別物を認識するカメラシステムなど、未だ実現していない次世代の人工知能・ロボット技術における中核的な技術、新技術の導入に必要となるリスク・安 全評価手法等の共通基盤技術を、産学官の連携により研究開発する。

○ロボット活用の推進:ロボット導入実証事業 30.0 億円 (新規)

ものづくり現場やサービス分野等、ロボット未活用領域における生産性の向上に向け、ロボット導入及びシステムインテグレートに係る費用を補助し、実証事業を実施する。また、ロボット導入による自動化に関して費用対効果を示すための FS 調査に係る費用を補助し、ロボット未活用分野への導入を促進する。

○ロボット活用型市場化適用技術開発プロジェクト 15.0 億円(15.0 億円)

ものづくり、サービス分野を対象に、ロボット活用に係るユーザーニーズ、市場化出口を明確にした上で、特化すべき機能の選択と集中に向けた技術開発を実施。また、現場ニーズに応じたロボットシステムを開発できる人材を育成する。

第 2 章 経済社会の持続性を高める  

○ロボット介護機器開発・導入促進事業 20.0 億円(25.5 億円)

2030 年に約 2,600 億円の市場規模を目指し、厚生労働省と連携し策定した重点分野のうち、 移動支援、入浴支援等の 2 分野に開発支援対象分野を絞り、安価で大量導入可能なロボット介 護機器の開発を支援、同時に現場への導入に必要な基準作成等の環境を整備する。

第 4 章 福島・被災地の復興を加速する  

◆「福島イノベーション・コースト構想」等の拠点について、浜通りを中心とする地域 全体としての広域的視点による整備の推進

○イノベーション・コースト構想(ロボットテストフィールド・研究開発拠点等整備事業) 事項要求 (新規)

福島浜通り地域において、福島県の重点産業であるロボット分野の地元中小企業や県外先進企業による産業集積を構築し、被災地の自立と地方創生のモデルを形成するため、 ①ロボットテストフィールド整備事業、②研究開発等施設整備事業、③研究開発補助事業を実施する。

○福島イノベーション・コースト構想推進施設整備等補助金(共同利用施設(ロボット技術開発等関連)) 事項要求 (新規)

福島県浜通り地域においてロボット分野等の先進的な共同利用施設の整備、設備等の導入を行うとともに、イノベーション・コースト構想の重点分野において、地元や県外の企業が取り組む研究開発及び実用化開発や実証等の費用を支援する。

となっています。

Comment(0)