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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドビジネスの視点

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幸いにも10月、11月の2ヶ月間、非常に多くの講演依頼をいただき、合計9本の講演を担当させていただいています。

講演(執筆依頼も含む)の内容の多くは、クラウドビジネスに関するもので、時々クラウドと政策に関する依頼をうけます。クラウドビジネスの中で主としてテーマとしていただくのは、

  • 企業ユーザ視点にたったクラウドの導入や活用について(事例も踏まえながら)
  • 経営者としてのクラウドとの関わり方
  • クラウドと産業(市場)創出や国際競争力
  • 客観的(冷静な)視点でのクラウドビジネスの現状と今後

などです。

私自身が感じるのは、企業ユーザ側の冷静な視点です。提供事業者側のベンダーはクラウドというキーワードを使い、その効果を積極的にアピールしていますが、企業ユーザ側は、もう少し客観的な視点で今後のクラウド活用について、具体的な検討を進めようとしている段階であるという印象をもっています。

また、クラウドを自社の情報システムで利用するだけでなく、クラウドの環境を使い、世界市場も視野にいれながら具体的にどのようなビジネスが展開できるのかという題目もいただくことがあります。これはクラウドのことを勉強しているだけでは説明がつくものではなく、世界市場やその業界の置かれているビジネス環境も踏まえ、整理していかなければなりません。最近、特に依頼が多いのは、業界向けのクラウド活用で、サービス志向が強まっているように感じています。

先日、あるクラウド事業者とツイッターで情報交換をしていたのですが、ゲーム業界の導入が多いとのことでした。ゲーム業界でのクラウドの活用はオンラインゲームの普及や、時期(時間帯)によって、利用率は全く異なり、柔軟なコンピュターリソースのスケールアップやスケールダウンには向いていると考えられます。

10月26日のWBSでの放送でもメーカーがモノづくりの視点からサービス志向に軸足が移りつつあるということを事例を交えて紹介されていました。まさに、クラウドの流れによって、産業がサービス志向にシフトしつつあると考えることができるでしょう。

クラウドコンピューティングは、もちろんテクノロジーや研究開発の視点は重要なのですが、今、企業が求めているのは、ビジネスの視点です。いかにクラウドを活用し、自社の情報システムを効率的かつ戦略的に活用していけるか、そして、いかにクラウドを活用して収益性の高いビジネスを展開していけるか、クラウドビジネスの視点は、今後益々注目されていくのではないかと感じているところです。

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