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ツイッターと地域活性化(2)~商店街の成功事例の共通点

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商店街のツイッター活用の事例が急速に増えてきています。第一回目でもご紹介しましたが、

代表的な事例として、杉並区高円寺ルック商店街杉並区荻窪駅前協会通り商店街京都市錦市場秋田県横手市福岡大名、などがあげられます。その他にもたくさんあり、私自身も、ツイッターで商店街のつぶやきをリスト化しています(リスト

少し、商店街を取り巻く背景を少し整理をしてみたいと思います。商店街の店舗数は1997年比で3割減となり、近年大型化が進むショッピングモールと比べると品揃えや価格において不利な点も多くあります。また、商店着の高齢化が進み、跡継ぎも不足も深刻な課題となっています。

そこで、商店街では、地域への密着と活性化に向けたツールの一つとして、ツイッターの活用を始めています。商店街がツイッターを活用している成功事例を見てみると、共通点として以下のようなことがあげられるかと考えています。

ギフト経済圏を創る

商店街で重要となるのは、地域への貢献です。地域の有益な情報をツイッターで発信し、住民とコミュニケーションをとり、信頼関係を構築する。そして、フォロアーは次第に増え、固定客を増やしていくことができるようになります。つまり、ソーシャルコマースを形成するためのソーシャル・キャピタルとなるウッフィーを流通させる仕組みを構築することが大前提となるでしょう。

顧客との対話関係を創る

大型ショッピングモールではなかなかできにことは、個人と個人の対話です。商店街の各々の店舗では、昔の八百屋さん感覚で、ツイッターによる会話形式で固定客を獲得することができるかもしれません。大規模小売店から個人(店主)が看板となる時代へ戻りつつあり、店主や店員の人間性を伝えることが重要となってくるでしょう。各々の店舗が意識しているのは、店舗においてある商品を宣伝するというよりも、公式でないゆるさで、TL(タイムライン)に流れても違和感がないツイート(つぶやき)をすることが、商店街や店舗のファンを増やすための重要なポイントとなっていくでしょう。

継続的な顧客関係を創る

ツイッターでの最大のメリットはリアルタイムで情報を伝えることができる点です。例えば、パン屋であれば焼きたてパンの情報、その他の店舗でもタイムセールスに関する情報を発信することで、近くに住んでいる顧客も比較的に気軽に店に足を運ぶことができます。

また、顧客が店の在庫状況やおすすめ品などを確認したいときでも、店宛につぶやけば、情報をお知らせするといったことも効果が高いでしょう。

商店街、そして店舗と顧客がゆるい保温関係を築いておくことができれば、顧客は商店街に足を運び、優良顧客となるでしょう。優良顧客はRT(リツイート)などでクチコミによる新規顧客を獲得するということができるかもしれません。

バーチャル商店街を創る

これまで各店舗でのオンラインショップは仮想商店街というのもありました。しかし、こういった店舗をオンライン上に構えるためには、それなりのコストもかかります。ツイッターの場合は、アカウントを取得するのは、無料ですので、投資なしで気軽に利用できるというのもメリットが大きいでしょう。

アカウントをとれば、店舗のポリシーに応じてつぶやくことができ、独自色を出すことが可能となるでしょう。また、商店街の一体感を出すためにハッシュタグ(例#daimyo)や商店街リスト(例 @mtown_info/owner)を用意することが効果的です。

バーチャル商店街の中では、イベント情報やツイッター割引など様々な情報提供や仕掛けができ、顧客も参加している気持ちが生まれます。こういった近所の八百屋感覚のネット上でのバーチャルな商店街のコミュニティ空間を創ることが重要となってくるでしょう。

クチコミ環境を創る

これまでのメルマガや広報誌などは、イベントなどの告知が中心です。ツイッターの場合は、告知ばかりが続いてしまうのは、逆効果になってしまいます。ツイッターの中では、話題になりやすいテーマを増やし、顧客とのつながりやリアクションを楽しむことが重要となります。また、この地域(商店街)でしか得られない新しい発見情報というのもポイントが高いでしょう。また、事例でも紹介されていますが「あのお店のバイトの女の子がかわいい!」といったように、ちょっと気になるゆるい情報を提供するというのもありでしょう。

また、店舗の店主自らが広報宣伝をするのではなく、顧客が広報・宣伝担当となってくれるのが一番理想です。そういう環境ができると、クチコミで広がる可能性は高くなります。

そして、商店街が比較的不得意とする若い世代との接点を獲得するというのも、商店街が将来発展していくためには重要となってくるでしょう。

気軽さをうまく活用する

ツイッターはでつぶやける文字数は1回140文字以内。スマートフォンなどのモバイル端末からでも気軽にツイートできる文字数です。また、一度使い方を覚えれば気軽にツイートすることができます。ITリテラシーというよりも、コミュニケーション能力が要求されるでしょう。

また、トライアル的に利用でき、投資が不要で、感触を見て、まわりに広げていくことができます。そのため、商店街の会員店舗のコンセンサス獲得が比較的ハードルが低いのではないでしょうか。さらに、ツイッターの講習会などを開けば、利用者を増やしていくことができるでしょう。

まとめ

以上のように、ツイッターは、商店街の活性化において、非常に効果的なツールであると考えています。ツイッターはリアルタイムであるが故に、地元へ足を運ぶためのきっかけを与えてくれるでしょう。

次回は、住民(利用者)側の視点で少し整理をしてみたいと思います。

関連サイト

ツイッターと地域活性化(1)~活用事例と可能性 (2010.4.19)

ツイッターと地域活性化(2)~商店街の成功事例の共通点 (2010.4.21)

ツイッターと地域活性化(3)~利用者視点と課題と今後の活用方策 (2010.4.22)

ツイッターと地域活性化(4)~政府の支援策 (2010.4.23)

本日の読売新聞にインタビュー記事が写真付きで掲載されました(ツイッターと地域活性化について) (2010.4.20)

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